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2004/06/04

六ヶ所村再処理工場の稼働は見合わせるべきだ

原子炉の使用済み核燃料を再処理して、プルトニウムを取り出す再処理工場が、工事ミスなどあれこれあって遅れていたが、いよいよ動き出すらしい。昨日の新聞は、青森県が、当事者の日本原燃と安全協定を結び、今年の夏、ウランを使った試験を始めることを認める案を県議会に提示すると、伝えている。

使用済み燃料を再処理し、プルトニウムを取り出して、それを再び原子炉で燃やすというリサイクルは、日本の原子力の基本政策ではあるが、問題があまたあり、見直そうという機運が出てきている。その結論がでるには、あと一年はかかるだろう。

莫大な費用をかけて建設した再処理施設を稼働させないで凍結しておこうという選択肢も、見直しの中に含まれている。2兆円もかけた施設はたしかにもったいない。しかし、いったん稼働させてしまうと、この巨大施設はいずれ、核のゴミと化し、廃棄処分に膨大な費用がかかる。それを含めて、使用済み核燃料の始末など後処理に、今後80年間に18.9兆円かかるという(04/5/21朝日)。それは、すべて電気料金に上乗せされて、私たちの負担になる。

原子炉からの使用済み核燃料は再処理しないで、保管・処分する方が、はるかに安くつくことは、全世界の多くの専門家や関係機関が指摘しているところである。ところが日本では、いったん決めた路線は、なかなか動かない。電力会社は、今や誰もが時代遅れで問題が多いと認めている旧来の路線を、粛々と進めている。

ウラン試験に入ったら、まっさらの再処理施設は汚染したゴミと化する。来年夏には使用済み燃料での試験にはいるという。そうなると高度に汚染される。06年7月といわれる本格稼働に入ったら、取り返しがつかない。

とにかく、核燃料サイクル見直しの結論が出るまでは、ウラン試験を見合わせるべきだ。

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コメント

早速、立ち上げていただき、ありがとうございます。

核燃料の再処理は、安全性問題は別にしてコスト比較だけでも、割に合わないことがよくわかりました。ウラン価格が10倍になって、やっと同じ土俵になり、しかも、保管による安全性は低下するとのことですので、ライフサイクルコストは現在のところ、計算不能と言うところでしょうか?
 再処理施設については、「選択肢を温存するため、使用せずに維持管理を続け、使用済み核燃料の乾式貯蔵施設を用意する」と言う、ハーバード大のマシュー・バン上席研究員(42=核管理政策)意見が、興味ある意見でした。http://www.asyura2.com/0403/genpatu2/msg/167.html
現時点で白黒の決着をつけないと言う選択は、優れて大人の選択ですが、日本人はどちらの陣営も、すぐに白黒をつけたがるので、無理かもしれません。しかし、ことがことだけに、現時点での自分たちの能力の限界を省みて、次世代に先送りするという謙虚さがあってもいいと思います。
一方、三菱重工業の常温常圧核変換技術には驚きました。いずれは再処理技術がコスト面で確立されるように感じますが、なにぶん素人ですので、専門家としての意見を頂きたいところです。http://www.asyura2.com/0403/genpatu2/msg/153.html
この2つと考え合わせると、六ヶ所村の再処理工場は、使用してしまえば、廃棄に①19兆円、使わずに稼動可能な状態に維持管理するとすれば、②○円×数十年となります。とすると、②が19兆円に達する時点までに、再処理技術の進捗状況を加味し、未使用再処理施設をどうするか、取捨選択するというのが、現時点でのリスク管理の最善策と考えてみましたがいかがでしょうか?

投稿: 魔法使い | 2004/06/10 12:12

魔法使いさん、コメントをありがとうございます。
1.最初の引用は、MITレポート「原子力の未来」として、話題になったものですね。専門家が詳細に分析期して出した客観的批判ですから、日本で原子力政策を推進する立場の人にとっては、厳しいものですが、あまりこたえていないようです。原子力産業会議のHPなどを見ますと、フランス原子力庁の反論などを根拠に、受け流しています。この件は私も勉強してみます。
2.三菱重工の研究成果は、低温核融合を思い出させますね。核変換を起こすのに必要なエネルギーがどこからくるのか、理解に苦しむ現象です。低温核融合が一時期世間を騒がせたけれども、間違いだったことが明らかになりました。それと同じと私は見ます。
3.19兆円の後始末費用の代わりに、使用済み核燃料をそのまま処分するか、次の時代まで保管しておくか、いずれにせよ費用と対策が必要になります。6/9に書いた記事を読んでください。今度の計算のやり直しには、一部とはいえ、かなりの割合を、とりあえずそのままにしておくという方針が採用されたようです。

投稿: アク | 2004/06/10 16:16

核変換に関し、必要なエネルギー量についての意見を見ました。
この見解に関し、従来の原子核モデル概念条件の上での視点での場合、その様な結論づけとなるのかもしれませが、それとは異なる、視点(核子クラスター・モデルNucleon Cluster Model)による原子核モデル概念の認識が必要となる模様で、低温(常温)核反応の意義の一つは、原子核は以前考えられていたものよりはるかに小さなエネルギー量で影響され、原子核を結合させている核力は従来の原子モデルでとらえられていたものよりもはるかに弱いものであるとの原子核モデルの認識の変換が必要とされるものの様であります。  (参考の為)

投稿: sigekazu suzuki | 2004/11/25 16:43

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