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2004/07/03

核燃料サイクルのコスト高は、10年前からわかっていた

 原発の使用済み核燃料を再処理した場合と、そのまま直接処分した場合とで、どのくらいコストが違うか。最近にわかに問題となって来ているようだが、じつは10年も前に試算が行われていて、それが隠されていたことが明るみに出た(朝日新聞:「核燃料サイクル費用割高」10年前に試算、公表せず)。お役所(旧通産省)の隠蔽体質(どこかでも聞いたようなこと)もさることながら、情報を国民の前に明らかにして、議論しながら決めていこうという民主主義を成り立たせる根本姿勢が、原子力問題となると特に欠けていることが、またまた明らかになったことである。

 明かされた内容それ自体も、問題である。使用済み核燃料をリサイクルすると、そのまま処分する場合に比べて、2倍コストがかかるという。これはかなりリサイクルをひいき目に見た試算だろう。最近のMITーハーバードの試算だと、処分コストが米国の3倍かかるとしても、リサイクルの方が3.7倍かかるという(『使用済み核燃料、再処理「コスト合わぬ」米有力大批判』[朝日新聞04/4/7記事の引用])。

 上記資料は、94年2月4日、総合エネルギー調査会・原子力部会作業部会に出され、議論されたものだが、核燃料サイクルを進めようとする方策からすると都合が悪いと、公表されず、資料それ自体がないことにされていた。『今年3月の参院予算委でも福島瑞穂社民党党首の質問に対し、日下一正経産省資源エネルギー庁長官(当時)は「コスト試算による比較はない」と答弁していた。』

 今回この件が明るみに出たことで、役所の担当箇所(経済産業省原子力政策課)は『大変申し訳ないことながら、10年前の資料でもあり、国会答弁当時は資料の存在を認識していなかった。94年とは状況が大きく変化していると考えられるので、改めて原子力委員会で検討してもらう。』と答えている。

 このところの動きを見ていると、既成路線を突っ走ろうとするプルトニウム利用推進派に対し、現実的に見直していこうとする慎重派が動き出しているようで、勘ぐると、こんな情報リークもその一環かもしれない。

 電力の後押しをし、推進の建前の経済産業省が、原子力委員会で検討してもらう、と「原子力長期計画」の改訂時の見直し議論に期待を表明したことは大きい。

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