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2004/07/20

フランス外資に転職した息子

 息子が転職した。どうなるかと少々心配したが、何とかやっているようで、とりあえず安心している。アメリカで教育を受け、英語についてはバイリンガルの子だが、こともあろうに、フランス外資の会社に転じた。ヘッドハントされ、パリにまで面接に行き、フランス語ができなくてもいいといわれて、決まったらしい。おまえの方が俺より英語は達者だ、英語で連絡を取り合おうと決まった相手の会社のお偉いさんから、毎晩電話がかかり、ビジネスの進み具合を訊かれるという。国際企業だから、英語が基本だが、時にはフランス語でメールが来る。本国での打ち合わせも英語だが、やはりフランス語ができた方がいい。でも忙しくて習得する暇がない、とぼやく。最初はそれでいいといわれたのに、費用をもつから、フランス語を至急マスターしろとプレッシャもかかってきているらしい。フランス人のガールフレンドを作るのが早道だねと、話したら、みんなからそういわれると、未だ独身の息子。

 もともと分子生物学の研究者をめざして、アメリカで学んだ。日本に帰ってきたとき、外資系の製薬会社の研究所に研究者として入った。途中でマネージメント部門に転じ、さらには医薬情報のマネージャーになった頃、この外資が、日本の製薬会社を傘下におさめ、そちらの会社に移った。この会社が年功序列、会議とコンセンサスでしか物事が進まないのにカルチャーショックを受けた。外資の親会社と古い体質の日本の会社とのつなぎ役として重宝がられながらも、しょせん英語の達者なやつとして使われるだけだった。この会社では将来はないなと、転職を決意。そこへヘッドハンティングの会社から声がかかり、その仲介で今回の話がまとまった。

 フランスで開発された新薬を、日本のいくつかの製薬会社を経由して、日本のマーケットに売る込むという仕事らしい。これまでフランス人が日本へのマーケッティングを担当してきたが、どうしても日本の特殊環境では限界がある。日本人にやらせようと、何人かの候補の中から彼が選ばれたらしい。英語でコミュニケーションができることと、日本の医薬の世界でマーケッティングや医学界との付き合いをやって来た経験とを買われたらしい。

 結構いい年だとはいえ、日本の会社なら、まだ下っ端か、せいぜい中堅どころである。それが、小なりとはいえ、一応トップについた。本人はまだ座り心地が悪いらしいが、もといた会社の同僚は、突然の栄転に驚いているらしい。元の会社を訪問すれば、社長さんが同格に扱ってくれるのだから。やはり英語ができると、そんな機会があるのかと、付け焼き刃の英語学習熱が盛り上がっているとか。

 さて、先行きがどうなるか、親としては心配だが、本人は、うまくいっても、いかなくても、これはキャリア・アップのステップだと、安定より向上をめざしている様子。これが外資系が入り、国際化していく日本の企業環境の変化なのかと、古い体質の親は、感心してみている。

 一つうれしいことがあった。先日、フランスの革命記念日で、今日は親会社から電話がかからないからと、夕方早めに会社を退くことのできた息子が、われわれを食事に招待してくれた。息子たちとの会食となると、年金暮らしとなった現在でも、親が支払いをするのが習慣になっていた、それが、はじめて息子におごってもらった。これはうれしかった。食事のあと、もう一軒飲みに行こうなどと、しゃれたカウンターバーに誘ってくれた。息子もなかなかのものだと、親冥利。

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コメント

まさしく私がやりたいお仕事につかれていて羨ましいです。業界も国もです。アドバイス欲しいくらいです。

投稿: あやこ | 2014/11/25 08:50

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