« 旅をして思うこと | トップページ | 社史、思い出を誘うが、没個性的なもの »

2005/03/27

ポルトガル旅行の写真撮影をふりかえる

Estremoz2

【13世紀、王の居城が置かれたこともある古都エストレモスの朝】

 ここ数日、ポルトガル旅行で撮った写真の整理に大わらわであった。所属しているいくつかの写真サークルの締めきりの時期だった。なんとか間に合わせて、傑作を投稿したい。何かに集中する間はほかのことができない。ブログ更新がままならなかったのも、そのせいである。もっとも、東京へ出かけて、中断という事情もあった。さて、ポルトガル旅行での写真を見直してみて、ひどくがっかりしている。ろくなものがない。旅写真はどうもいけない。旅に出ると、もの珍しい風景や人々に出会う。被写体はいくらでもある。そんな気分が写真作りをおろそかにさせる。浮ついた旅の気分が輪をかける。それに時間がない。移動しながらの一瞬のチャンスしかない。被写体の絶好の配置や表情を待てない。

 それでも、粘れるだけ粘った。宿泊地では旅仲間が寝ている早朝に起きて、撮影スポットに出かけ、光を待った。リスボンでは旅仲間と別れ、4日間、市内を徘徊した。連れ合いが、いい加減うんざりするのも無視してがんばった。広角系と望遠系のレンズをそれぞれにつけたデジタル一眼レフカメラを2台、首からぶら下げる。吊る高さを調節して、胸元に上下2段になるようにしてある。腰には小型デジカメを入れたウエストポーチを着用している。背中にはレンズその他のカメラ用品を入れたリュック式のカメラバッグを背負っている。ハンチング帽をかぶるが、縦位置に一眼レフを構えるときにツバが邪魔になるので、後ろ向きにかぶる。これは自分では慣れたスタイルなのだが、相当珍奇なものに見えるらしい。異国からの観光客に何度も撮影されてしまった。撮影に行ったのに、ろくな写真をものせず、他人の被写体になって、「珍妙カメラマン」とでも題する傑作をものされたら、あべこべである。

 デジカメ3台で、合計4500枚の画像を撮った。連射やブラケット撮影をしていないから、相当な枚数である。今回初めてビューアーつきストレージを使ってみた。デジカメの記憶媒体から自動的にストレージのハードディスクにコピーをしてくれる。軽くて、多数の画像を取り込める。それでも、何かのトラブルで画像ファイルを失う不安があるので、もう一台のストレージをバックアップとして使い、2重に保存した。このバックアップ用のものは、以前から使っていた。画像を鮮明に映し出すビューアーのおかげで、旅には必携だったノート・パソコンを持っていく必要がなかった。それでもカメラ関係機材の重量は8キロ程度になり、年寄りにはきつかった。こんな撮影旅行がいつまでできるか。先行きは怪しい。

 写真は趣味である。好きにまかせて自己流に撮ればいいのだが、それでは進歩がない。何ごともやる以上は、できるだけ奥を深めたい。それが私の性分だ。幸いデジタル写真の腕を磨く絶好の場と先生を持っている。安孫子卓郎プロが主宰する「写真道場」である。4年も在籍し、競争の中に置かれると、否が応でも腕は上がる。自分のセンスのなさに限界を感じながらも、下手でもがんばろうと粘っていると、写真の善し悪しが少しは分かってくる。人の写真作品の批評ができるようになる。それが自分の撮影に反映してくる。

 どんなところにも写真の題材はあるといわれる。しかしいい被写体を得ようとして、旅に出る。安易な道である。そこに落とし穴があるのだろう。安直な愚作ばかりを量産してしまう。自分らしい、自分ならではの写真作品は何か。旅から帰って、何度も繰り返してきた悩みにまたもやとらえられている。

 リスボンを自分なりに写してみたつもりの画像を数枚、上に書いた写真道場に投稿してみた。ここをごらんいただきたい。

|

« 旅をして思うこと | トップページ | 社史、思い出を誘うが、没個性的なもの »

コメント

アクさん

ポルトガルの写真を見せて頂きました。私は大体場所が見当がつきますので、懐かしさが先にたって見てしまいました。老女二人の写真が良かったです。
でも、写真の先生は、ポルトガルを意識させるものということを、問題にするのでしょうか?

4500枚というのも、ちょっと想像を絶する数字です。我が家もかるく1000枚は越すので、どの写真をつかおうかと考えている内に、くたびれて文章を書く気も時間もなくなっております。

デジカメというのは重宝ですが、沢山撮りすぎてしまいますね。
みやさんのお気持ちがよくわかりますよ。我が家は娘が写真係ですが、時々待たされますが、アクさんほど凝ったものを狙いませんから、まあ、シャッターを押す時間だけ待っています。

夜は、絶対充電を忘れないようにしているのですが、それさえしっかりやっていれば、あとは何枚でもとれるのが、あだになってしまうのでしょう。

投稿: 美千代 | 2005/03/28 01:13

美千代さん、写真を見ていただいて、ありがとうございます。

たくさん撮って、それをすぐに見直して、撮り方の善し悪しを検討できる、というのがデジカメの良いところでしょう。一日300枚。写真に本格的に取り組んでいる人は、そんなものではすみません。

たくさん撮るといいという先生もいます。よく考えて、一枚だけ撮ることに集中せよ、という先生もいます。いろいろな考え方がありますが、よく考えて、待って、撮るべし、というのが、私の反省点です。

私の写真の先生は、テーマ性よりも、一つの画像の、写真作品としての善し悪しを重視する方です。

投稿: アク | 2005/03/28 09:50

 アクエリアンさん、ポルトガルの撮影お疲れさまです。
 私も撮る時は一日に200-250枚ほど撮ります。ただ私の場合はブラケットを使うことが多いのでアクエリアンさんの方が3倍ほど多いですね。これだけの枚数の撮影におつきあいされる奥様を尊敬します。私の連れ合いならとっくに切れていることでしょう(笑)。
コメントはまた道場に書かせて頂きますが、ざっと今月の5枚を見せて頂きました。ひとことでいうと、「さすが、厳しいことを書かれているだけはあるな。凄い。」というところでしょうか。とてつもなく完成度が高いです。ほぼ素人写真の域を超えていると思います。また、機材全てで8kgというのは大変ですね。私も最近やっとDSLRを買いましたが機材の重さに辟易しています。
 今回は街角風景ということでさらに人物の表情が控えめなのを選ばれていいます。ただ、敢えて意地悪を言わせて頂くと完成度が高すぎて、けちをつけるところがないのです。なんといいましょうか、欠点をどんどんなくして詰めていった絵と言いますか、うますぎるんです。東京大学的というのでしょうか。欠点がほぼないのでへそ曲がりの私はかえってこのような変なコメントをつけたくなるのかもしれません。
 今月の私の方はテキトーな提出をしたというのに、生意気なコメントを書きました。お許しください。道場でこんなコメントを書くと波紋を呼ぶのでなかなか書けないのですが、ここならと思って書きました。次回は人物の表情にフォーカスした人間味あふれる5枚が出て来るものと期待しています。

投稿: Aurora A | 2005/04/01 12:55

Aurora A さん、コメントありがとうございました。もっと手加減なく書いていただいていいです。道場の相互批評でも、厳しくコメントしてください。私のは、平均値は一応取れるけれども、傑作でもない、という程度のものだと、常々自覚しています。今さら道を究めるほどの若さもなく、また集中力の高まりもありませんから、自分らしさが出るような写真がたまにできれば満足、というほどの心構えでいます。
 期待された人の表情を撮った写真。それがなかなか撮りにくかったのが、ポルトガルでした。西欧では難しい。ポルトガルならなんとかと思ったのですが、そこまで入り込めませんでした。

投稿: アク | 2005/04/04 20:39

 ご無沙汰しています。ヨーロッパの古い町は市内と郊外が塀等ではっきり区分されているそうですが、表題の写真でよくわかりますね。まち歩きも得意なアクエリアン殿はそのあたりも意識して撮影されたのかと勝手に推測しています。
さて、プロでもない私に、プロの写真批評が許されると勝手に解釈して書き込みます。
上記の意味でたいへんわかりやすく、対比も明確になっているのですが、明確すぎて、説明的になりずぎていないだろうかと、そんな風に感じました。私は日本的なので、市内と郊外の境目が見え隠れしながら、もう少し漠然としていたほうが好きです。
 そのためには、霧が境目付近にもう少し、薄ぼんやりと懸かり気味になったほうが気持ちがいいなーと素人判断しました。そんな写真も別にあるかもしれませんが、ここに掲載されたものだけで判断しました。
ご無礼があればお許しください。 

投稿: 魔法使い | 2005/04/08 17:24

追伸、5枚組の写真では『老女にはきつい急坂』が好きです。道路構成が写真のようになっている町は、日本の密集市街地でも見かける風景で、それが、ポルトガルにもあり、しかも老女と石畳と建物で異郷の地であることが理解できます。
 懐かしいようなそれでいて、異郷の地であるという、不思議な感覚を味わえる一枚ではないかと思いました。

投稿: 魔法使い | 2005/04/08 17:38

魔法使いさん、見ていただいてありがとうございました。この城塞都市の見張りの塔に朝早く登り、霧が晴れていく様子をずっと撮影していました。最終的に選んだ、この方向は、最初はあまり注目していなかったのでした。朝霧が晴れてきて、こうだったのかと、分かってきたのでした。もっと前の画像もあります。そのうちにアルバムを作ってお目にかけましょう。城内と外では、この街の場合、数十メートルの高低差があり、霧は下の野原や村にはかかるけれども、上の街にはかからないようでした。リンクした投稿写真も見ていただいたようで、ありがとうございました。

投稿: アク | 2005/04/08 19:55

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36654/3459167

この記事へのトラックバック一覧です: ポルトガル旅行の写真撮影をふりかえる:

« 旅をして思うこと | トップページ | 社史、思い出を誘うが、没個性的なもの »