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2005/04/26

スピードを競う京阪神の電車運行が遠因か

 私の素人っぽい印象だが、東京首都圏に比べると、京阪神の電車は速い。競合する路線が多い。そこで所要時間を競う。車両を軽くし、大きな出力のモーターをつけて加速を早める。直線部で加速し、最高スピードを出す。カーブはきわどく減速して通過する。京阪神の電鉄同士の所要時間競争が、JR宝塚線(福知山線)の事故の遠因としてあるのではないか。

 京阪神の電車が速いなと、はじめて感じたのは、昭和30年代関西へ出張するようになった頃だった。特に私鉄の電車が速く見えた。国鉄に入った義弟が、入社後の研修で、関西の私鉄の運転をして、スピードが出るのに驚いた、並行して走る国電を追い抜いて気分がよかった、と話していた。だから、素人の印象だけではなかった。

 10年前に京都に一年住んで、大阪や神戸あたりをよく動いた。東京圏から移り住むと、どこかへ行くのに、JRか、どの私鉄か、いくつかの選択肢があるのに驚いた。どの線に乗ると、どれだけ早く目的地に着くか、互いに競い合っていた。「どこへ行くのに、何分」というのが、看板の宣伝文句として、駅に大きく掲げられていた。

 数年前には姫路に住んでいた。山陽電車というのがある。これは小説家の椎名麒三(そんな人をもはや知らない人が多いのかもしれない)が、若い頃乗務員をしていた電車だ。姫路の海岸地域をカバーしている、ひなびたローカル線だと思っていた。ところがある時期から、どこかの私鉄とつながり、神戸の三宮や大阪の梅田まで直行できるようになった。三宮まで何分と大々的に宣伝し、所要時間競争に参加し始めた。電鉄のイメージは大きく変わった。所要時間でお客をとらないと競争に勝てない、という傾向が、関西では強いと思った。

 東京首都圏では、JRと私鉄は役割分担をしている。競合する路線はそれほど多くない。私鉄同士も競合を避けて路線を広げてきたように思える。関西ではいささか違うようだ。JRとほぼ同じ路線を私鉄が走っているところもある。私鉄同士も、同じ目的地に乗り入れて競い合う。所要時間が勝負だ。電車のスピードを上げ、快速や直行電車を走らせて時間を競う。

 車輌の開発競争のことは、全く知らないのだが、関西のほうが先行していたのではないか。路線がすでに決まっている以上、時間を競うには、電車を軽くし、加速をあげる。直線のところは、最高スピードで走る。カーブのギリギリまで高速で走り、素早く減速する。カーブを終われば、全力で加速する。それに向いた車輌が開発され、運転士も軽業のような加速・減速をさせられていたのではないか。

 性能のよい電車が、関西で成功すれば、それは東京首都圏でも採用される。車輌開発をしているメーカーは、関西も関東も共通してカバーしている。一方で開発されれば、他方にも波及する。しかし、運転のやり方についてはどうなのだろう。関東では、関西ほどの「きわどい」とまでいいたいほどの運転が、採用されているかどうか。同じだなと、感じることはある。たとえば、最近、地下鉄の新線に乗ると、直線部でスピードを上げ、カーブでダウンするという「メリハリのきいた」運転に気づく。東京首都圏にも、所要時間競争が波及してきたのだろうか。

 事故の直接の原因は、そのうちに明らかになるだろう。しかし、その背景に、スピードを競い、経済効率を高め、安全は二の次だった電車運行の問題があるのではないか。民が強い関西で、民営となった官業が、民と競争して、おかしくなっていないか。

 以上の関西・関東比較論は、的はずれ、偏向かもしれない。コメントを願いしたい。

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コメント

はじめまして。ぷらたなすです。以前通りすがりに、関西の電車のスピードが関東と違うことを初めて知り、本日の記事を書くに当たって文中にリンクを張らせて頂きました。上記の記事ではありませんが、blogでは過ぎ去った過去記事を読んでもらえないことも、不満で非常に同感です。私もひと工夫してます(笑)。

投稿: ぷらたなす | 2005/05/03 13:17

ぷらたなすさん、はじめまして。このエントリは、事故翌日、事故原因の方に報道の議論が向いている時期に書いたのでした。その後の流れで、素人の直感が案外的を射ていた、と思っています。引用ありがとうございました。ブログの過去記事の問題にも、同感していただけてわが意を得たりです。ぷらたなすさんの工夫もうかがわせてください。

投稿: アク | 2005/05/03 15:22

アクさん、レスをありがとうございました。私はページ標題の下に「過去記事はこちら」という一文を載せて、多少2chチックな(笑)、記事一覧に誘導しています。けっこうそちらからのアクセスもありますよ?手法としてはアクさんと同じ発想かもしれませんね。blogって基本的に日記じゃないですか?でも、私は自分のために、駄文をたくさん、たくさん、書きたいんですよね^^;。でも"駄文"のクセに、自分の分身のようで、いとおしかったりするんですよね^^;。ワガママですよね(笑)…。。。

投稿: ぷらたなす | 2005/05/03 21:28

 なるほど。一つエントリを作って、そこに全部の記事の目次(記事へのリンクつき)を置いて、その記事に表題部分からリンクを張っているのですね。目次ページ作りは手作業でやっておられるのでしょうね。
 私は目下、分類項目を見直した上で、エントリ・タイトルを、複数の分類項目に重複しておいもよしとする目次ページを作ろうとか、そのほか、あれこれ考え中です。ブログに自動的にそういうことをやってくれる機能がない限り、目次ページは、別のHPに置いた方がやりやすいだろうというのが、私の考えです。まあ、もともとHP本館を持ち、ブログは別館としていた(じつは活動の主力はこちらに移っている)、そんな事情もあります。

投稿: アク | 2005/05/03 21:56

アクさん、おはようございます。お返事をありがとうございます!

こちらの記事にこのスレッドがたつのもおかしいのですが(笑)、私は標準仕様の「カテゴリー」機能を使わずに、一見それと変わらないものを「マイリスト(リンク)」で独自に作成して、こっそり差し替え(笑)、カテゴリ名をクリックするとそのカテゴリ別の一覧リンク集に飛ばす!とか(笑)(←わかりにくい表現ですね^^;…)、いろいろ考えるところもあったんですけど^^;、ほら、blogって結局htmlを書かなくていいとか、メンテのしやすさもメリットじゃないですか?過去の自分のホームページが放置モードになっちゃのたは構成を複雑にしすぎて気軽に文章をアップできなくなったのが原因でもあるので(爆)、「もっとこうだったらいいのになぁ…」と思いつつも、あえてそこには手を出さないのも自分のためかな?なんて思ったりしているんです^^;。。。手順を増やしたくないなぁって(笑)。笑ってやってください(笑)。

投稿: ぷらたなす | 2005/05/04 09:52

 遅ればせながら、こちらの方へコメントを書かせてください。私は関西生まれの関西育ちで、大学も神戸でした。確かに各社時間を競い合うようなところはありました。神戸の場合、主に3社の鉄道会社が走っていました。山の手から順に阪急、JR、阪神電車です。お上品なのもこの山の手に近い順で、阪急電車は綺麗な車両に沿線の上品なショッピング街を持っていました。一方、阪神電車はバス停のように頻繁に止まるため、スピードとはあまり無縁、車両はきわめてお粗末でした。しかしながら例の甲子園に至る路線は野球観戦の観客を乗せること、地元の生活に密着することからそれなりに成り立っていました。
 しかしJRはいかがだったかというと、民営化した直後の運賃では阪急よりとても高く、阪神電車のような特徴もない状態でした。唯一の特色は新快速というとっても高速の車両が運行されてることでした。私はこのような特色を打ち出せないJR西日本は自社の売りとしてスピードしか全面に出すものがなかったことが、無理な高速化ダイヤの背景にあったのではないかと感じています。他社のように沿線の商業開発と一体化した鉄道経営がうまく出来なかったことも原因のひとつにあるのではないでしょうか。
 それにしてもお亡くなりになられた方、ならびにそのご家族はさぞかしご無念であったことと思います。JR西日本では運行の遅れや粗暴な運行が日常化していたという話も聞きました。これを機に原因追求と事故への猛省、さらには再発防止への真剣な取り組みが行われることを切に望みます。このような取り組みこそ、真の民営化と言えるのではないでしょうか。

投稿: Aurora A | 2005/05/06 03:50

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