« 論説の間違いを追求するブロッガー | トップページ | ロンドンの血の歴史に、新たな一頁が »

2005/07/05

医者の中にも、悪質「リフォーム」業者が?

 老人の弱みにつけ込んで、過剰なリフォームを繰り返した業者が、やっと犯罪として立件されようとしている。屋根裏や床下をのぞき込み、大変なことになっている、すぐに手をつけないと、屋根が落ちる、家が倒壊するとだまし、大金を払わせた。もちろん一部のとんでもない業者の話であるに違いない。ところが、同じような詐欺まがい、脅迫まがいのことが、もっと広汎に医者や病院で行われているのではないか。これは、私の思いつきではない。付き合っているぼくとつな医者がぽろっと、そうもらしたのだ。なるほど、医療は身体のリフォームといっていい。人の身体をのぞき込んで、こりゃ大変だ、このまましておくと、身体が壊れてしまいますよ、とやれるのである。

腰痛を病む このところ腰痛を病んでいる。私の唯一の健康法である毎日ウォーキングを、冬の間、寒いと休んでしまい、そのままずるずると運動不足が続いてしまった。パソコンの前に,同じ姿勢で何時間も座り続けることも多い。そんなせいだろう。だが、医者には行かない。これまで覚えているだけで、3度ほど腰痛が悪化したことがある。そのたびに医者にかかった。原因はあれだ、これだといろいろいわれた。いちばんひどい診察では、腰椎骨の数があなたは一つ足りない、これは先天的なものだから、直しようがない、一生、痛み止めの薬を飲み、湿布をして痛みを和らげるんですな、とのことだった。その診断から1ヶ月もしたら、嘘のように腰痛はひいた。それ以来、腰痛は腰椎のまわりの筋肉を鍛えるしかないと、自己治療に専念している。そんな話しをかかりつけの町医者にした。その時に、医者にも悪質リフォーム業者がいるという話しが、相手から出てきたのである。この人は、いつも控えめながら的確な診断をしてくれるので、信頼している医者だ。正直言ってあまり流行っていない。大仰な見立てを上手に話して患者をその気にさせ、大げさな検査をやり、あれこれの薬を処方し、点滴や注射をいっぱいしてくれる医者の方が患者には人気があるようだ。

保険請求審査では、かばい合い 他の医者の保険請求が妥当かどうかの審査の場に、この医者は義務として出る機会がある。そのとき、とても考えられないほど過剰な医療費請求に驚くことがあるらしい。毎日連続して診察、点滴が行われる例もあるという。症状から見て、そんなことは全く必要ないケースらしい。歳や病名からしてそんな処方をしてもどうしようもないのに、一年365日続けた例もあるという。目に余るので、審査時に指摘したいと思っても、指針とか基準からはっきり逸脱していない限り、それはできないという。医者同士でかばい合う体質がある。この先生のように良心的で儲け下手な医者は、仲間からもっとうまくやれよという眼で見られるらしい。

保険制度が「悪質リフォーム」を温存させている 医療がリフォームの例と違うのは、健康保険のため自己負担が少なく、それほど自分で大金を払っていると感じない点である。実質的には、たかられ、金をむしり取られているのに、ひどいことをされているとは感じない。しかしその過剰な診療請求はみんなの医療費負担にはねかえっている。

どうしたらいいのだろう ずっといわれ続けてきた問題である。医者や病院選びに市場原理が働かない。いい医者だろうが、レベルの低い医者だろうが、同じ点数で医療費が請求される。いい見立てをして、早く治し、医療費を少なくすませた医者よりも、間違った見立てをして、ずるずると診療を引き伸ばし、無駄な医療費を使った医者が儲かる。こんなシステムは明らかにおかしい。医者の方が、とっくにこの矛盾を知っている。それでいてどう解決するか、良策を聞いたことはないし、実効的な対策が講じられていない。

悪質「リフォーム」業者という観点で、あらためて考えてみよう 患者側がもっと賢くなり、医療知識を持ち、自分で判断し、いい医者を選ぶ。いい医者、いい病院情報がもっと行き渡るようにする。そんなことしか思い当たらない。しかしすべての人に、特に高齢者にそれを求めることは難しい。地方では選べる病院が限られる。ともかく、あらためて、みんなで考えてみるしかない。今度の悪徳リフォーム業者のことは、とてもわかりやすい。年寄りをだまして高額のリフォーム費をむしり取った業者にみな義憤を感じている。それと同じことが、医者や病院にもあるのではないか、みんなでチェックをしてみようよ。

お医者さん方、いかがでしょう このブログを読んでくれる人の中に、私が知っているだけで、お医者さんが、4、5人いらっしゃる。みなさん立派なお医者さまである。しかし、いかがでしょうか、あなた方のお仲間に、悪質「リフォーム」業者はいらっしゃいませんか。

|

« 論説の間違いを追求するブロッガー | トップページ | ロンドンの血の歴史に、新たな一頁が »

コメント

答えは簡単です。医療行政から、利権と取り締まり権限を分離すること。厚生労働省に利権がある限り、医療の改善など行われるはずもありません。


投稿: 安孫子です。 | 2005/07/05 23:07

 腰痛には、バランスボール(メーカーによってはエクササイズボールとも)で姿勢を矯正すると良いです。インナーマッスルもリラックスし、またバランスを取ろうとすることで適度に筋肉が刺激されます。ボールの頭頂部に座ろうとしますので、尾てい骨から上の背骨が自然にスッと伸びます。結果、腰周りの筋肉のゆがみも矯正されます。
 あと、不眠にも効くようです。ただ腹ばいになって何分間かブラブラするだけです。体の奥のほうの筋肉を適度に刺激するのが良いみたいです。

「バランスボールの良さに今まで気がつきませんでした。」
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2005/06/post_eb49.html

「バランスボールでの気づきその2。(普段の椅子の座り方を変えました)」
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2005/06/post_8518.html

「腰痛予防の筋トレは美容にも良く、キーワードはインナーマッスルだった。」
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2005/06/post_cab0.html

書きました。よろしかったら、参考にしてください。

投稿: SOBA | 2005/07/06 15:25

安孫子さん、答は簡単なのでしょうが、それが実現出来ないのが、問題なのでしょうか。小泉さんですら(いや小泉さんだからかもしれない)、三方一両損などという調停しかできないのですから。当分この体制は続くのでしょう。せめてチェック機能を果たす第3者機関ができると、少しは改善されるのでしょうか。

投稿: アク | 2005/07/06 21:23

SOBAさん、コメントをありがとうございました。

たしかにインナーマッスルがだいじなようです。それが衰えて、あちこちに無理がかかっているのでしょう。

バランスボールはいいようですね。先日知人宅で見ました。やって見ようかな。

投稿: アク | 2005/07/06 21:27

医療がリホーム業であるとは恐れいりました、自分はプロフェショナルと思い教育、診療に従事してきましたので! 制度を悪用する者はどんな分野にもうまれるものと思います。それを淘汰することができるのは患者さんたち以外にないでしょう。週刊誌や新聞などで信頼できる医療機関一覧とか見ますが全く信頼できないものが多いと思っています。患者さんがおおく集まっている、長年月通いつずけている医師が良い医師なのかもしれません。地域医療に参加してみると赤ひげ的な医師がたくさんいるのにおどろいています。また、たとえ有名大病院の有名な医師でも聴診器を当ててもらったことがないと言う患者さんがときどき来て驚かされますが患者さんは「有名」を頼っているのかもしれません。その上で日本の医療保険制度について考えてみると不備はおおいが世界に誇れるとおもっています。アメリカは医学、医療技術は高い?といわれるが保険制度がおくれており、それらの恩恵をうけられない人々が多いようです。それは市場原理にゆだねられているためでしょう。医療経営に株式会社が参入できるようになったり、私的医療保険の査定が厳しくなりすぎ医療行為が制限されざるをえなくり、保険加入者でも問題になるようです。高価な医療保険加入者はよい医療をうけられるようですが市場原理からは当然でしょう。勿論、アメリカにも赤ひげ医者がたくさんいす。わが国は最高とはいえないが国民皆保険が確立しており、これを維持、発展させることが大切だと思います。歪みはあります、熟練医師と新米医師の診療料が同じとか、結果として新米医師や藪医師のほうが稼ぎが多くなるとかーーーー。
 制度の問題は難しいが良い医者を育てるのは患者さんたちです、互いに情報を交換し合い選択する以外にないでしょう。最初に述べたようにどんな分野「政治,官僚、司法、教育、宗教、企業等々)にも悪者が少しは出るのは宿命かもしれません。だからと言って、悪徳医者弁を護するつもりは到底ありません。普段、ブログ拝読している医者のひとりとしてコメントを書きました。

投稿: 松本進作 | 2005/07/08 11:34

松本先生
 かなり乱暴な発言に、先生ならではの篤実なご意見を書いてくださって、恐縮です。確かに日本の健康保険制度は、アメリカなどに比べると、かなりいいと思います。しかし、その制度をいいことにして適度を超えた診療が、咎められることなく見過ごされていること、そしてそれをチェックできないでいることに、かなりの人は怒っています。先日、眼科に再診に行きました。前回の検査でほぼ問題なしとなったのですが、念のため眼底の精密検査をするということで、指定された時間に行きました。予約をしていましたので、すぐその時間に検査が始まると思っていたのですが、受け付けてから、1時間以上かかっても呼び出されません。事情を尋ねてみると、視力検査の順番待ちをしているというのです。数日前に検査を受けていて、今日は精密検査だけのはずだというと、この病院では、受診する人は全員、まず視力検査をやることになっている、というのです。視力が1.2とかいうあれです。それを機械を使って丁寧にやるので、そこで時間がかかっていたのです。あまりに馬鹿馬鹿しくなって、事務長に面会を求め、怒りの意見を述べて、検査も受けずに帰ってきました。この眼科は、院長がいつも長者番付に乗るほど儲かっている病院です。どんな具合に儲けているか、ある程度想像がつきました。必要十分ではなく、患者にとっては不必要で、病院にとって十分な検査を患者に強要し、その結果、患者は病院行きに半日を費やすのです。
 確かに、制度を悪用する人はどんな世界にもいるのですが、健康という人にとっていちばん弱みの部分につけ込んで、しかも、本人からではなく、健康保険制度でプールされたお金からもらうのだからと、ほとんど罪責感なしに、実質はたかりに近い行為が放任されているように思うのです。
 GNPはほとんど伸びない中で、医療費だけは増えています。それは、保険料に反映されていくでしょう。税の負担も増えます。高齢化と少子化で、勤労者層が老人医療費を負担しきれなくなりそうです。やはり、一部の過剰診療を何とかしないと、破綻する時期が来るのではないでしょうか。

投稿: アク | 2005/07/08 20:56

yujinakです。いつもお世話になっています。
アクさんの書き込みはなかなかおもしろいのですが、私も医師の一人として書き込ませていただきます。
まず、よい医師は患者が育てるという意見は私もそう思います。私は医師になってから約15年たとうとしてますが、患者さんから教えてもらったことは多いと思います。あまり大きな声では言えませんが、いわゆる誤診もしたことがあります。しかしそのつど誠意をもって対応してきたと思います。人間が人間を診ているのですから、もちろん間違うことはあると思いますが、それをしないようにするために新しい知見を取り入れ、研鑽をするのが医師としての使命と考えます。
私は私立医大の出身ですが、私の仲間うちもほとんどの者がこういった観点を持っていますが、少なからず金儲け主義の医師もいます。しかしそのような医師はこれからは淘汰される時代になると思います。財源は限られてきていますから、保険の支払い基金のしめつけもかなりのものですしね。ただし本当に適正な医療をしたとしても間違った審査をされる場合もあるので何ともいえないのです。今の日本の医療はいわゆる出来高制で、病名と処置があっていれば基本的には問題がないのですが、審査する人間によってその評価がまちまちで、その明確な指針がない場合も多々あります。そういった法整備がまだまだ不十分で、まだまだ医療機関側としても難問が山積しているものと考えます。
最後に日本の医療財政を最も逼迫させている問題は何かというと、いわゆる終末期の医療です。人間一人が使う医療保険の約8割が死ぬ1ヶ月前に使われていると言われています。愛する家族の為にいわゆる延命治療が行われるのはもちろん当然のことと思いますし、そういった気持ちはわかりますが、中には無駄な治療をしているケースもままあるように思います。この話に関しては賛否両論あるようですが、難しい話ですので今度伺った時にしたいと思います。

投稿: yujinak | 2005/07/14 10:40

ゆうじなくさん、ご意見をありがとう。

おっしゃるような淘汰は、ある程度は期待しています。ただ、患者は巧みにのせられ、むしろありがたがって、多額の医療費(その大部分はプールされた公金)を払っているわけで、よほど悪い評判が立つようなことがなければ、淘汰は働かず、むしろ良心的な医師が淘汰されてしまうようなことになるのを恐れます。グレシャムの法則がここでも働くのではないかと。

書かれていた終末期の医療が問題だと、私も聞いています。患者家族の問題もあるでしょう。一方医師側が、助かる見通しを、どのくらい正確に家族に話し、方針を相談しているか。そこにも過剰医療行為が行われている場合がないかを問うと、命が問題にされることだけに是非を論じるのは難しいでしょうね。

健康保険に高額医療費補助制度があるので、患者側が自己負担を渋るという歯止めが利かないこともあります。米国では自己負担になるため、日本ほど、終末期医療が過剰に行われていないではないか、というのが私見です。

もっとこの問題に対して、患者側の関心を喚起し、たとえばふだんから尊厳死を選択する人を増やすようにするなど、の対応が必要でしょう。

投稿: アク | 2005/07/15 09:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36654/4839629

この記事へのトラックバック一覧です: 医者の中にも、悪質「リフォーム」業者が?:

« 論説の間違いを追求するブロッガー | トップページ | ロンドンの血の歴史に、新たな一頁が »