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2005/10/15

アイルランドから帰国

051015Annie

 帰ってきました。あちこち走り回り、あれこれ見、写真を撮り、話しも聞いてきた。話したいこと、お目にかけたい写真はたくさんある。とりあえず、一枚お目にかけて、帰国のお知らせにするとしたらどれにするか。迷ったが、この一枚にした。

 アイルランドは、今どんどん変わっているようだ。アイルランドの過去は、今や物語になりつつある。アイルランドの過去は、一口に言えば、英国による支配と、それ故の貧困、そしてそのような現状からのほとんど唯一の脱出手段としての移民、といっていいだろう。その記念碑がこの像である。アニー・ムーア姉弟。ニューヨークのエリス島経由のアイルランドからの最初の移民者として記録されている。姉は、故国に未練を残して振り向いている。しかし、弟たちは、新天地に希望を見いだそうとしている。移民したアイルランド人の気持を象徴する像が、雨に濡れ、煙っていた。

 私たちが訪れた南西部の港コープ(Cobh)。ここはタイタニック号の最後の寄港地としても知られているが、19世紀から20世紀前半にかけて、3百万人のアイルランド人がここから新大陸をめざしたという。ボロ船に乗って命を落とした人も多くいた。下級の船室にすし詰めにされた過酷な航海だったらしい。主としてアメリカ、そしてオーストラリアなどへ向かった。現在アイルランドの人口は約5百万人(北アイルランドを含めて)だが、米国にはアイルランド系の人が、4千万人いる。オーストラリア人の3分の1はアイルランドの血をひくといわれる。

 私たちが雨の中をこの港町を訪れた日、目をひいたのは多くの白人の年老いてた旅行者たちだった。記念館がある。移民の歴史を、資料や映像などを使って、生々しく見せている。それらを感慨深げに眺めている人たちを見て、アイルランド系アメリカ人が、自分らのルーツを確認しに、ここを訪れているのではないかと推察した。実際アイルランドへの旅行者にはアメリカ人が非常に多い。アメリカの東海岸から飛んで、一番近いのが、アイルランドである。治安がいい。直行便がある。今アメリカ人が安心して旅行できる先は、気の毒ながら、そんなに多くない。そんなことで、アイルランドにはアメリカ人観光客が溢れている、という印象だ。ついでながら、それに比べて日本人旅行者は非常に少ない。私たちは最後に出国するタブリンの空港に着くまで、日本人をほとんど見かけなかった。せいぜい10人程度だった。ツアーはあるらしいが、出会さなかった。

 現在、アイルランドは、いささか勢いは衰えてきたとはいえ、西ヨーロッパで一番成長率の高い国である。国内を走り回ると、随所で道路建設や改修、町の再開発が進んでいる。何十年か前の日本を見るかのようである。収入も増えるが、物価も上がる。しかし経済は回っている。それに乗っている人たちにとっては、希望がいっぱい持てる国である。もはや外国に出かける必要はない。むしろ流入してくるアフリカ系,中東系、東欧系のひとびとをどう受け容れるかが問題になっているようだ。移民で成り立っていた状況は、ほんとうに過去になってしまった。しかし、過去の過酷な暮らしを想像させる荒々しい自然環境は随所に残っていた。また、ここにしかない美しい風景もたくさん見た。パブにも通ったし、アイルランド音楽は何度も聞き、アイリッシュ・ダンスも見た。

 こんなさまざまは、これまでの海外への旅と同様、パートナーのみやが、ホームページの方に書くことだろう。私も印象のポイントをどこかに書くつもりである。それはこれからのことにして、まずは帰国のお知らせまで。

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