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2005/12/26

天皇の太平洋戦争についての発言

 天皇誕生日に行われた記者会見での発言は、マスコミでは小さな扱いだったが、記憶にとどめておきたいと思い、ブログに書くことにした。女系天皇問題を問われて「回答を控えようと思います」と答えたほど、公的な場での発言に慎重な天皇が、サイパン島を慰霊訪問したときの気持を語ったあと、「過去の歴史をその後の時代とともに正しく理解しようと努めることは、日本人自身にとって、また日本人が世界の人々と交わっていく上にも極めて大切なことと思います」と言われた。天皇があの戦争の歴史認識を正しく持った上で、この問題についての最近の対応への危惧を、慎重な表現がら言外ににじませていると感じた。同世代を生きたものとして、深く共感した。できることなら、小泉首相にも、この言葉をじっくり読んで、その行間を読み取ってほしいと思った。

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2005/12/21

高橋源一郎と内田樹が偲ぶ、早熟の異才、竹信悦夫

 読みにいって間違いなく楽しめるブログは、私にとっては、なんといっても「内田樹の研究室」である。このブログの左コラムに、いつも内田の新刊書のサムネイル画像とタイトルが載っているのだが、3日ほど前から「ワンコイン悦楽堂」が、最新刊として登場した。内田の著書ではなく、竹信悦夫という人の書いたものだ。紹介文が添えられていて、そこにはこう書いてある。

私と高橋源一郎さんが巻末で竹信くんを偲んで対談してます。
竹信くんは私の大学時代の親友(高橋さんにとっては灘での中高時代のツレ)。
昨年、マレーシアのランカウイ島で夕暮れの海に向かって泳ぎながら心臓麻痺で亡くなりました。
私にとってはかけがえのない「関西風味」の友でした。
彼の魂の天上での平安を祈ります。

 え! あの竹信さんって、内田樹の親友だったのだ。高橋源一郎の中高時代の仲間だったのだ。驚いたのにはわけがある。竹信さんは、私らにとっても知人だったから。その次第を書くのが本筋ではないから、それはあとに書く。

 早速アマゾンから取り寄せて読んでみた。竹信悦夫が、朝日新聞のインターネット版に、亡くなるまで2年にわたって書いた書評、それも新古書店でワンコイン(百円か5百円のコイン)一枚で買える古書とかバーゲン本を毎週一冊取り上げての書評、を集めた本である。内田樹ブログの紹介通り、巻末に内田樹と高橋源一郎との対談が載っている。これがめっぽう面白い。竹信悦夫の途方もない早熟と、その後の老成ぶりが語られている。朝日新聞記者となり、組織の中で働いてきたのだろうが、それほどの異才が、さほど世に名を轟かすことなく不慮の死を遂げてしまった。「悲劇的に完結した人生だった」と、二人はこの人のことを偲んでいる。残された書評集は、能ある鷹が爪を隠しつつ、抑えて書いたものとしか思えない。

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2005/12/14

姉歯を責められるか、耐震強度偽装証人喚問を聞いて

 今日は一日テレビの前に座りっぱなしで、耐震強度偽装問題についての証人喚問の様子を視聴してしまった。8時半からのワイドショーでの事前のテレビ談義に始まり、9時半から、昼休みを挟んで、夕方の5時45分頃までの委員会中継を、ずっと見た。伝えられる偽装問題に、いったいどんな人間が関与していて、事件についてどう釈明するか。厳しい証人という立場に置かれて、どんな答えぶりを見せるか。一問一答を漏らさず聞いた。ほとんどまる一日、時間を使ってしまった。ブログの記事一つぐらい書かないと、収まらない気持だ。月並みの感想しかないのだが。

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2005/12/12

司馬は今日の日本を見通していた、と養老

 雑誌「文藝春秋」06年新年号の巻頭論文、「司馬遼太郎さんの予言」で、養老孟司は、司馬が「過去を掘る人」であっただけではなく、現在を見抜く人であったゆえに、その晩年に書いた日本社会の分析は、「今の日本を見通していたかのようだ」(副題)と書いている。解剖学者として、また無類の虫好きとして、対象をよく見ることを大事にする養老が、司馬は、過去に聞く「大きな耳」をもった人であったと同時に、現「場に足を運び、対象の前に立ち、何かを見て、何かを感じることを大切にし」た、「大きな目」をもっている人だった、と自分との同質性を感じているようだ。

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2005/12/05

多田富雄の生き方

 NHKスペシャル『脳梗塞からの再生ー免疫学者・多田富雄の闘い』(リンクは「多田富雄HP」の、この項目へ)を見た(05/12/3: 21:00ー )。重度の障害を残したまま、リハビリに励み、この人ならではの幅広い知的創造活動を続けている。その生き様を生々しく伝えてくれた。よくぞこのような姿を見せてくれたな、と思った。このように生きているよ、というのが、番組企画を受け容れた多田富雄のメッセージなのだろう。

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