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2006/02/09

運転免許高齢者講習を受けた

 70歳を超えると、運転免許更新時に、「高齢者講習」というのを義務づけられている。免許証更新にいく前に、どこかの自動車教習所に出向き、3時間の講習を受け、講習終了証明書をもらう必要がある。更新手数料、2,100円に加えて、6,150円の講習料が別に必要となる。今日それを受け、免許の書き換えをしてきた。講習内容からすると、実質的にはあまり意味はなく、交通安全に名を借りて、自動車教習所に儲けさせる、一つの手段になっているにすぎない。自動車教習所は、警察の古株の天下り先になっている。少子化の影響だろう、このところ一見しただけで、閑古鳥が鳴いている様子だ。そこをてこ入れするために高齢者が使われていると、ひがみたくなる。

チャレンジは拒否された 公安委員会からの案内状によると、標準の講習を受けない別のコースが用意されている。「チャレンジ講習」と称し、最初の免許取得試験と同じような試験にパスすれば、あとは1時間の簡易講習を受ければいいらしい。これでも金はかかる。試験料が2,750円、講習が1,400円、計4,150円である。ふだんふつうに運転している。初心者が受ける試験に通らないはずはなかろう。安くて時間がかからない方がいいと、これをやってみようかと、教習所に電話してみた。ところが、別コースは制度上は存在しているが、それを受けようとした人は、今までいないし、教習所の方でも、受け付ける用意がない、という。試験に落ちたら、標準の講習をうけることになり、かえって金がかかりますよ、といわれてしまった。あえて受けるとがんばっても、手加減して必ず落っことすに違いない。そんな雰囲気の受け答えに、あきらめて、標準でやることにした。申込者が多いらしく、1ヶ月先しか、講習の空きがないといわれ、その日が、例の関東地方大雪の日で、さらに遅らされ、今日となった。

無駄なテキスト、おざなりの講義 一日の定員は15人である。講義は15分ほどで終わり。茨城県は人口あたりの交通事故死者統計ではワースト2位だとか、高齢者の事故が増えている、というような話。時間をもたせるのに苦労している様子で、すぐに休憩となって、お茶が出た。元気のいい受講生は、茨城県では、標識、信号、車線の振り分けなどの設備が遅れているのが問題だ、県民性のせいではないなどと、講師を責めたりした。2冊ほどの結構分厚いテキスト(一冊は『高齢者の安全運転』[130頁、監修:警察庁交通局、編集・発行:社団法人全日本指定自動車教習所協会連合会、協力:財団法人交通事故総合分析センター、財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団・東京都老人総合研究所]、社会保険庁が下請けに作らせているパンフを思い出した)をもらったが、読む人はいないだろう。

実車走行に意味があるのか 続いて、実車講習、3人一組で、交代で運転し、コースを走る。S字カーブとか、クランクとか、久しぶりに走ったが(実はこの教習所は、40年あまり前に教習を受けて免許を取得した「母校」である)、どうということはない。あとで評価表をくれたが、それには、交差点での安全確認不十分とあった。そうだった、交差点では、わざとらしく首を左右に振らないといけないのだったと、昔の教習時の諸注意を思い出した。この実車走行は、ペーパードライバーでふだん運転していいないから自信がないとか、軽自動車しか運転していないとか、理由を申し立てれば、後ろの座席に乗り、見ているだけでよい。

ゲーム機みたいなシミュレーター 次はシミュレーターによる反応動作テスト。赤信号が出たら、ブレーキを踏むとか、障害物を避けるようにハンドルを左右に切るとか。これがちゃちなテレビ・ゲームのようなもので、こんなことで、結果を数値判定してどうのこうのといわれたくない。「あなたの本検査による機能は、同世代と比較すると大変優れています」などと総合コメントに書いてある評価表をもらったが、全然意味なし。3時間の講習とはいっても、ほとんど実車走行とシミュレーターの時間待ちで費やされた。おかげで持って行った文庫本を読むひまはたっぷりあったが、金だけはしっかり取られた。

アメリカではもっと実質的 高齢者の事故が多いことは確かである。反応は鈍くなり、注意分散はおろそかになりがちだ。さりとて、こんな講習で、老化への注意喚起とはなりそうもない。免許更新手続き時に、老齢者だけ短時間の別講習にする、動体視力や反応テストを課する、不適格者には免許を与えない。そんなことでいいのではないか。アメリカではどうしているか。州によってちがうが、私の住んだニューヨーク州では、ある年齢(たぶん75歳だったと思う)を超えると、毎年免許更新となる。そのたびに、視力証明(眼鏡屋さんが発行する)と反応テストが課せられる。基準に満たないと、免許はもらえない。免許更新にかかる費用はたぶん10ドルぐらいで、過分にはとられない。これに比べれば、日本での免許取得とか更新にかかる費用はべらぼうである。

規制にたかる構図がここにも 誰でもが車を使う時代である。それにしては、車関係で行政がとる税金や、規制関連でかかる費用は高めに設定されすぎていないか。有料道路料金ももちろんである。車が一部の人の持つ贅沢品であり、高い費用は当然との考えがいまだに残っている。行政機関は、住民へのサービス提供より、規制をするものだとの気風。そして規制ごとに、官に後押しされた天下り機関が甘い汁をすう。その構造が、またひとつ、この高齢者講習を餌にできている。高齢者の交通安全が問題だ→免許更新時に講習を課すことにしよう→教習所に請け負わせ、金を取ろう→警官の天下りを増やせる。こういう具合に制度整備が行われ、高齢者は食い物にされ、交通安全の実質はさっぱり確保されない。よくある図式だ。

 ついでに書いておくと、優良運転者(無事故無違反)は、オーバー70歳となると、1年ケチられて4年有効の免許証となる。更新窓口は、依然として安全協会ではあるが、「私は入りません」とはっきり意思表明すると、入会は強制されない。

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コメント

アクエリアン様

少々鬱陶しいかもしれませんが、またお邪魔させていただきます。
ブログに不慣れなものでしたので、本日こちらに寄らせていただきましたら、あらま、「守分晴子」がコメント欄にズラズラと。ひぇ~こういうことだっのかと仰天致した次第です。で、私はブログをもってないので、せめて本名を名乗るのが礼儀ではあるまいかと名前欄に記したわけですが、ほとんどの方はハンドルネームで投稿なさってるようなので、わたくし「守分晴子」が本名でありますが、今後はハンドルネームを使わせていただきたいとおもうのです。

ズラズラ名前が並んだのには訳がありまして、このコメント欄の字数が限られてることを知らず途中で途切れましたので何通もコメント送ってしまいました。ゴメンナサイ

お爺様のお話ありがとうございました。読ませていただきました。アク様が現役時代理系を極められた後、こうしていろいろと物事をきちんとお考えになり、ご自身の言葉でしかもバラエティーに富んでいて居丈高にもなられず、表現していかれる才能は、このお爺様からも受け継がれていらっしゃるのであろうと、納得した次第であります。

と、ここまで書いてあれ?字数制限なかったのだわ、右側のカーソルが下に届いたため勝手に、あ、ここでやめなきゃ、と細切れにお送り
してしまった、どうでもいいコメントたちでした。

私の小島・保坂体験について昨日から書きたかったのですが、初ブログ体験で少々だらだらとしてしまったので、また改めて聞いていただけたらと、こちらの都合で思わせていただいてます。

投稿: ハルちゃん | 2006/02/10 20:37

ハルちゃん、あらためまして。
コメントに字数制限は実質的にないと考えていいです。長いものは、ここに直接書きはじめずに、エディター(WORDで書いて、テキスト形式で保存してもいい)で書いたものを、コピペしていただいたほうが、書きやすいかもしれません。
私も小島信夫はともかく、保坂さんについては、最近にわかに、という程度ですから、そのうちに、といっても、せっかくですから熱の冷めないうちに(失礼かな)、何かお書きください。

投稿: アク | 2006/02/10 20:50

熱未だ覚めやらず、なのです!

ありがとうございます、つたないコメントにお返事下さいまして。
「小島信夫はともかく」っておっしゃいましたが、今の私は「小島信夫」なのです。氏の作品から醸し出される奇妙な笑い?ユーモア?はもしかしたら95歳であられる白川静先生のものと共通したものではないのか?と勝手に想像しております。
なんだか不思議な遭遇でした。いつも立ち寄る書店に保坂氏の「小説の自由」を発見したのは。題名が気になって一瞥し、パラパラと読むともなくページを繰って、ああどうせ読まないよな、と通り過ぎました。翌週、同じ書店に行ったとき再び目にとまり、今度はなぜだか購入して、読み始めました。全部が理解できるわけではありません、でも何か本質的なことを投げかけてるな、と感じて読み進めつつ、保坂氏の作品はとにかく手にはいるので読ませていただきました。その中に結構頻繁に小島氏のことが紹介されてましたが、書店では手に入らない事を知り、やはり私も図書館に赴きました。手始めにこじゃれた題名、しかも芥川賞作品である「アメリカンスクール」から、なんだか奇妙な印象を受けました。なんだ、これは?って感じです。次は「ハピネス」、これもなんだか変、そして「階段のあがりはな」氏の子供時代の一瞬を描いたものでした。以上は短編。その後私の読書は長編へと向かっていきました。
と、まあ「私の読書遍歴」なのですが、ちょっと一休みします。
アク様が「残光」のことについて書いていらっしゃって、なんだか気になる、っぽく述べられてたようだったので、「残光」だけ読んでなおかつ否定されないで面白さをどこかで感じられてる文章だったので、何か共有できるかな、と甘えさせていただいてるしだいです。

投稿: ハルちゃん | 2006/02/10 21:33

高齢者講習会の案内を受け取りました。普段なに不自由なく毎日運転しているのに、なんで講習会なのか、諸氏のご意見を拝見し、「チャレンジ講習」のことなど参考にしたいと思います。それにしてもこのような警察官僚の天下り先の確保のための法律改正を許しているのも、選挙民の我々の責任です。9月には選挙が必ずあります。
官僚の横暴を許さない一票を投じましょう。
                 早々

投稿: センポ | 2009/01/17 10:51

高齢者が増える一方で、若者の運転免許取得者が頭打ちになってきている。

ここに目をつけた警察官僚と自動車学校経営者が打ち出したのが「高齢者講習」。
高齢者の事故を予防し安全運転に役立てるという、大義名分を翳されると文句が言えません。

がしかし、6150円は如何にも高すぎる。
予約も受講者が増えてままにならなくなってきている。
高齢者講習で自動車学校は押すな押すなの盛況である。

投稿: oono | 2009/03/19 23:29

私も先週「高齢者コース」を受けました。アクさんが経験を書かれてから3年、実態は何にも改善されていません。チャレンジコースは事実上「拒否」されました。少々アタマにきて自民党と公安委員会にクレイムのメールをしました。なお、今回の講習についての公安委員会からの通知(葉書)に、「講習内容の一部及び手数料が変更される場合がある(平成21年6月予定)」とあります。また値上げでもするのでしょうか。それとも、もみじマークが不評で“努力目標”になったように、高齢者の声が良い方向に反映されることになるのでしょうか。

投稿: mk | 2009/03/27 18:24

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