« 2006年5月 | トップページ | 2006年7月 »

2006/06/29

中国奥地で目にした国際熱核融合実験炉(ITER)のニュース

 中国も奥地の新彊ウイグル自治区になると、国際情報にはほど遠い。現地でいちばんいいというホテルに泊まっても、英語の新聞はないし、テレビにはCNNやBBCは映らない。一歩ホテルの外に出れば、青空のもと用を足すしかないような地なのだから、国際ニュースなど無いものねだりだ。そんな地で、珍しく英字の新聞を読んだ。たぶん自治区首都ウルムチのホテルだったか。ロビーに閲覧用にと新聞ばさみに束ねられて置いてあったのを読んだように記憶する。目にとまったのは、中国が国際熱核融合実験炉(ITER)計画に参加する調印が行われたという記事だった。5月24日にブリュッセルで行われた協定仮署名式のことを伝え、大きな国際的科学技術協力計画に中国が10%もの資金負担をして参加することになったと、誇らしげに伝えていた。実験炉のサイトとなるEUが予算の半分を負担し主担当国になることを、この記事は当然触れていたが、実験炉の設置をめぐって最後までEUと争ったもう一つの主要参加国、日本のことはことさらに無視し、ひとことも書いてないのが、いかにも中国らしいと思われた(帰国後検索して読んだ人民日報の記事では、バランスよく書かれていた。私の読んだ英字新聞は何であったか、記憶がない)。

続きを読む "中国奥地で目にした国際熱核融合実験炉(ITER)のニュース"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/06/27

『ダ・ヴィンチ・コード』、なぜ陰謀説はかくも人を魅了するのか

 遅ればせながら「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだ。キリスト教のルーツに関連するテーマを扱っているらしいと聞き、関心はもっていたのだが、読む時間を取れなかった。新彊ウィグルへの旅に文庫本を持参し、移動などひまな時間に読み進め、帰るまでに読み終えた。

 期待はずれだった。イエスの血統という謎めいた話で気を持たせながら、次々にサスペンス溢れるストーリーが展開し、暗号解読が絡み、謎解きを阻もうとする秘密組織が暗躍するなど、たしかに読むものを飽かせない。じつに精緻に構成され、よくできたサスペンスドラマだと思う。しかし、軸となるイエスとマグダラのマリアの話や、血統を守るための秘密組織などが、インディ・ジョーンズを連想させる聖杯伝説(なぜ西欧人はこんなホラ話を好むのだろう)とからんでくると、最初からいかにも作り話っぽい。どうせフィクションだからいいじゃないか、とはいうものの、期待したテーマにリアリティを感じさせるものがなさそうだと、早い時期にわかってしまい、その点では興味を失ってしまった。後はこの作り話をどれだけみごとに引っ張るかだけの興味で読んだ。

続きを読む "『ダ・ヴィンチ・コード』、なぜ陰謀説はかくも人を魅了するのか"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006/06/23

カシュガルの市場で

060623sundaybazar

 カシュガル。民族の十字路とも呼ばれる地だ。タクラマカン砂漠を北沿いに、あるいは南沿いに迂回した、西域北道と西域南道の二つのシルクロードが、再び交わり、また西、サマルカンドへ、南、ヒンドュークシュ山脈を越えて、パキスタン、インドへと分かれている地点。日曜日には10万人が集まってくるというバザールへ行けば、さまざまな人種が入り交じり、商い、食べている。

続きを読む "カシュガルの市場で"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006/06/22

砂漠の道

Crossrd

 先のエントリで「行ってきた、タクラマカン砂漠」とタイトルを掲げながら、砂漠のことを書かなかったので、画像とともにそのことを。今回の旅は、タクラマカン砂漠周辺のオアシス都市をつなぐ天山南路(西域北道)と西域南道を辿りながら、途中でタクラマカン砂漠を横断するという旅だった。いやというほど、砂漠を見、砂まみれになった。砂漠はいろいろな表情を見せた。微細な砂粒が、さらさらと風に流され、砂山を作り、その表面に風紋を見せる砂漠(後の画像)。これが典型的なものだ。ほかに、砂利がごろごろし、タマリスクや灌木の生える原が延々と続く砂漠もある。塩が水に溶け、乾燥する繰り返しの中で、随所に白い塩だまりを見せる砂漠もある。

 このタクラマカン砂漠を、昔の人はラクダの隊商を組み、何日もかけて横断した。今そこを人工的な道路が走る。砂漠公路だ。南北に、中央やや東よりの位置で横断(縦断というべきかも)している。1991年に着工、1995年に貫通、1997年に一般供用となった。全長520キロ。走り続ければ5,6時間で走り抜けられる。その間、上のような景色が延々と続く、この砂漠の広大さを想像してもらいたい。私らは、途中の石油基地入り口、塔中のレストランでゆっくり食事をしたし、トイレと写真撮影のために何カ所かで停車したりした。また、公路の北寄りに流れるタリム河に架かる長い橋を徒歩で渡ったり、その先の胡揚(こよう)の林を見たりしたので、横断に約8時間半ほどかかった。

続きを読む "砂漠の道"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/06/21

行ってきた、タクラマカン砂漠

060621dokeycart

 タクラマカン砂漠周辺の各地をほぼ一回りしてきた。さまざまな印象を持ち帰ったが、まずはロバ車と石油開発のことを書こう。中国奥地の現状を端的に物語るものとして。

 それぞれの国、地方での暮らしぶりは、交通・輸送の手段として何を使っているかで、ある程度わかる。これまで訪れたところでいえば、パキスタンのフンザや、ミャンマーでは、歩き、担ぐこと。ヴェトナムでは、圧倒的にバイク。西欧でも、東欧のやや遅れた国でも車であった。今度行ってみた中国新彊ウイグル自治区では、それがロバ車だ。どの家もロバを持つ。たとえば、かつてキジル国があり、キジル千仏洞で知られるオアシス都市クチャでは、人口45万に対して、4万頭のロバがいるという。町の中心部に住み、急速に近代化しつつある社会に順応できている人は、車を使う生活になっているが、大部分の人々は何百年も変わらぬ生活を続けている。刈った麦を運ぶのも、収穫した西瓜をバザールで売るために運ぶのも、ちょっとそこまで用足しに行くのも、ロバに牽かせた2輪荷車だ。
【上記画像は、西域南道ホータン付近にて】

続きを読む "行ってきた、タクラマカン砂漠"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006/06/08

しばらく留守

 ひつと前のエントリに書いたが、海外旅行に出かける。今日は空港近くのホテルに前泊中。このエントリを書いて、出発しようと思ったら、ココログのメンテナンスにぶつかった。それも長時間(2:00-16:00)。コメント欄にも書けない。仕方なく、持って出るつもりのなかったノートパソコンをホテルまで持参、ビジネスルームのLANでつないでエントリアップをする。メンテナンスは予定時間を超えて、だいぶかかったようだ。先ほどは拒否され、夕食をすませて、やっとつながる。お断りした上で、留守ができそう。

 今回の旅は、タクラマカン砂漠周辺、いわゆるシルクロードの旅。中国新彊ウイグル自治区で、ウルムチ→カシュガル→ホータン→ニヤ→ここでタクラマカン砂漠を砂漠公路(1999完成)で横断→クチャ→コルラからトルファンまで南彊鉄道→ウルムチ、とタクラマカン砂漠を一回りというか、3/4周する旅である。出かけることを決めたあと、パートナーみやの腰痛・膝痛が悪化。問題を抱えたまま、出かけてくる。

 生命の存在を阻む巨大砂漠をはじめて見る。そこに暮らし、あるいは往き来した人々の歴史と現在の姿を見てきたい。どんな写真が撮れるか。カメラやレンズの砂塵対策(ポリエチの袋など)が必要だ。今回はパソコンを携行しない(成田まで持参したノートパソコンは、車に残していく)。ネットに無縁の旅となる。帰ってくるのは20日。しばらくご無沙汰。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/06/04

「アイルランド旅日記」を終えて

 HP本館のほうで連載してきた「アイルランド旅日記」をやっと終えた。去年の9月から10月にかけての旅行分を、延々7ヶ月、21回に分けて書いてきた。旅行記を書くのは、いつものことだが、パートナーのみや。メモ魔で、まめな人だ。旅先で詳細にメモを取り、細部にわたる旅日記を飽きもせず書く。その根気に、こちらは根負けだ。今回は、他に時間を取られる事情があり、完成に手間取った。次の旅が決まったことで、プレッシャーがかかり、出発まで5日というところで完成した。

続きを読む "「アイルランド旅日記」を終えて"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/06/01

W杯の熱狂を避けて

 スポーツのもたらす熱狂が嫌いである。オリンピックとか、ワールドカップとか、国を挙げて熱狂するのが嫌いである。とりわけサッカーの熱狂ぶりは異常だ。スポーツ番組でも、サッカーとなると、テレビに登場する人は、異常な熱気を帯びている。「絶対」を頻発し、「勝ちます」と強い語調で断定する。野球やその他のスポーツでは見られないことだ。世の中「絶対」なんてものはないとかんがえ、「ぜったい」ということばを使わないよう心がけている私にとっては、まことに聞き苦しい。サッカー族が登場すると、直ちにテレビを消すか、チャンネルを変えることにしている。

 開会日が近づいてきた。すでにこの騒ぎである。これから先、テレビや新聞でワールドカップの話題を避けるのが難しい。国外へ脱出することにした。できるだけ辺境がいいだろう。折良くタクラマカン砂漠旅行の誘いが来た。ただちに誘いに乗って出かけることにした。W杯開会の日、6月9日出発というのがいい。11日間、砂まみれで、らくだに乗ったりしているうちに、日本での騒ぎは収まっていることだろう。

続きを読む "W杯の熱狂を避けて"

| | コメント (2) | トラックバック (1)

« 2006年5月 | トップページ | 2006年7月 »