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2007/01/04

桜井淳の反論に

 12/31に「言い過ぎだよ、桜井淳」を書いて、当然、反論を予想していた。このブログのコメント欄に。しかしまたもやコメントのできない、自分のブログに書いている(ここ)。トラックバックのやり方も知らないらしい。仕方がない。またもや、お目汚しを書くことになる。

 やはり論点をずらしてきたな。問題は誇張癖のある桜井が書いた「組織のメカニズムだけでなく、監督官庁・大学・主要企業との相互作用メカニズム、さらに、欧米の政府機関・大学・研究機関・企業とのメカニズムも把握いたしました。」との表現に、実態がともなうか、である。自分の思いこみではなく、である。

 彼の誇張癖について、私は、大目に見、咎めずにつきあってきたが、やはり放っておいては、技術評論家・桜井のためによくないと、はじめてそれを問題にすることにしたのだった。神のような立場など有り様がない。ごく普通のサイエンティスト、あるいは組織人の見方で足りる。

 さて、投げかけた疑問に対して桜井があげた事実は、読んだだけで、こんなことで前に引用したようなでかいことがいえるか、と疑問に思う事柄ばかりだが、桜井が自身として関与したということで、多少実があるとして拾うことができるのは、

1)材料試験炉炉心核計算と臨界集合体を使った炉物理実験により、博士論文をまとめた。
2)原研の委員会や原子力学会専門委員会でリーダー、主査を務めた。

の2点だろうか。あとは、組織にいて業務として行ったとか、情報に接しえたという程度のこと。それもあの大言壮語をいえるほどのことではない。

 1)は、独創的な研究成果を問われる博士論文を、そのような業務的仕事でよくぞまとめた、また当時所属した組織ユニットが成果を桜井に帰することによくぞ同意した(グループワークとしての業務だから)、という感想を持つが、これと大きな組織のメカニズムを把握したとの発言は、ほとんど関係がないだろう。照射依頼を受けて処理する中で「日本の原子力開発のメカニズムがよくわかりました」は、またもや言い過ぎ。材料照射は原子力開発のひとつの側面ではあるが、研究というより、試験という位置づけ。まして桜井がいっているのは、照射依頼を受けて他者の試験目的をのぞき見たという程度のこと。カーター政権の中濃縮化要求は、当時の関係者にとって大問題だった。そのどこに関わったかが、見えない。私は当事者の一人だったが、桜井の関与は耳にしていない。

 2)これは、何をやったかによるだろう。学会の研究専門委員会は私もある程度知っているが、学会内有志グループのようなもの。原子力開発の中心的なテーマにどれほど密接に関わるものか。特殊な計算方式に関するものだと、いつか聞いたが、その程度で、「日本の原子力開発のメカニズムがよくわかりました」といえるのか。委員の提出資料を束ねた程度の成果報告書など、数冊あって、それがどうしたということ?委員会活動をすれば、当然の成果物でしょう。

その他コメント:

>還暦を過ぎてふたつ目の博士論文を東大でまとめていることが、劣等感の裏返しとして、こっけいと映るのでしょうか。

立派。東大、東大とやたら書かなければ。秘めておいて、目標を達してから明かしてくれれば、もっと立派。あの銀杏並木の画像掲載、何のために?

 笑いの対象? 私は、桜井があまりに実態と乖離した大言壮語をして、世の笑いものにならないよう忠告をしているまで。私は、数少ない味方だったものとして、真剣に桜井のことを心配している。

>私が信頼している人間は、70歳になっても、何の見返りもないのに、なお、謙虚な気持ちで、「中性子共鳴の規則性の研究」を継続しているむかしの知り合いの物理学者のM.Oさんのような存在です。

この人のことを、あるエントリで、研究所にいてひとつも論文を書かなかったと、こけにしていたように記憶しているが、違うかな。

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コメント

桜井さん自身が、過去に書いた文章。いまさら私はかかわりたくないとは言っていますが、昔のことはこうだったらしいというだけの話です。今は私は原子力界には、かかわりたくないというのは変わらず。恐ろしい。うかつな話をして、ポロニウムでも盛られた日にはそれはもう・・・。

http://web.archive.org/web/20041216005013/http://www.smn.co.jp/JPN/security/inside/066.html

 浜岡原発1号機の事故の翌日午後、浜岡原子力発電所の部長から電話が入った。水戸まで来たいというのだ。すぐにお断りした。というのは、私自身忙しいこともあったが、それ以上に、わざわざ静岡県浜岡町から茨城県水戸市まで来ていただくことに対する時間と経済的な負担の大きさを考慮すると、申しわけなく、どうしてもお受けすることができないと思った。しかしながらどうしてもと言うので翌日の午後6時過ぎに水戸駅でお目にかかることにした。当日、原子力計画部長HIと原子力管理部副長TIが現れた。

投稿: threadpool | 2007/01/04 23:54

Threadpoolさん、木村好さん、通りすがりさん

情報をありがとうございます。

『私は自宅に議員や電力会社や原子炉メーカーのひとたちに来ていただけるほど偉くありません
-必要があればこちらから出向きます』
http://citizen-science.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_6da3.html

は、私が「言い過ぎだよ、桜井淳」に書いた、彼の明かした話への、精一杯の反論のつもりのようですが、わざわざ書くほどのこともないと思っていました。みなさん方が、こうして彼自身が書いた証拠を指摘してくださったので、彼の虚言が明らかになりましたね。

私も変だな、と思ったのです。拙宅で私に向かって、むしろ自慢げに話したことなのです。こうしたことはここに書かれた一回にとどまらず、何かが起きると毎度だともいっていました。

彼は原子炉安全の技術評論家として、また現場主義を大事にするものとして、胸を張って、事実を認めればいいと私は思うのです。何かやましいところでもあるのでしょうか。

原子力施設の見学の話も気にして、別エントリで書いているようですが、一般見学だとPR館での説明程度で、特別な人でないと、施設内には入れてもらえないでしょう。

ある時は自分がいかに大物かを自慢げに書き、問題にされるとシュンと私は一介の市民に過ぎませんとなる。そういう人なんです。

あまりでかいことをいわずに、地道に技術論をやりなさいよ、というのが、今回私が彼に言っていることです。

投稿: アク | 2007/01/05 09:58

上記コメントで書いた URL がうまくリンクしていないようなので、もう一度。
http://citizen-science.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_6da3.html

投稿: アク | 2007/01/05 13:07

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