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2007/02/14

防衛省市ヶ谷新庁舎、完成間近、その使途は?

070214ichigaya

【完成間近の市ヶ谷新庁舎(手前の白っぽい建物・2棟に見えるが、L字型の一つのもの)。手前は靖国通り。奥は左からB棟、C棟(二つ)、A棟、左奥は市ヶ谷仲之町に新築中のマンション。画像クリック→拡大画像がポップアップ】

 東京の居所は、市ヶ谷の防衛省に近い。都営新宿線・曙橋駅で降り、靖国通りをわが家に向かうと、中央大学市ヶ谷キャンパス(以前はアジア経済研究所だった)のすぐ向こう、靖国通りに面した場所に、なにやら新しい建物の工事が行われているのを、ここ何年か眺めてきた。工期が異常に長い。いつまでたっても建物が見えてこない。そのことを一度このブログに書いたことがあった(『核攻撃に備えるのか防衛庁』05/8/2)。それが、どうやらやっと完成するようだ。いったいこれは何のための建物だろうか。

 防衛省のHPその他をグーグルで検索していても、この新庁舎についての公開資料は見つけることができない。ただ、例の官製談合を問題にした記事の中に、「市ヶ谷庁舎(通称、新情報棟)」という言葉がある。清水建設・東急建設・松村組共同企業体が受注したとあるが、これは「建築計画のお知らせ」との標示板(現場入り口にある)に書いてある「代表施工者」に一致するし、落札が行われた時期からしても、おそらくこれだろう。

 これは、かなり異常な建物である。先の標示板に「地上2階/地下5階」とある。建築面積が 3550 平米、延べ面積が 27,354 平米、とあることも、地上部の広さのまま7階分あることを示す。見たところ2階建てだが、この下に5階分が地下に埋まっているのだ。工期も異常に長かった。建設は03年12月に始まり、07年2月28日に終わる。3年余かかっている。7階建てのこの規模の建物を建てるのに、ふつうこれほど長い工期がかかるだろうか。私がときおり目にする限り、この間、コンクリートミキサー車はひっきりなしに出入りしていた。分厚い鉄筋コンクリートに覆われた、地下要塞を作ったように思える。

 この市ヶ谷台には、太平洋戦争中、陸軍省や参謀本部がおかれ、地下深く巨大な防空壕があったことは知られている。今後の有事に備え、核攻撃などの最悪の事態にも耐え、情報収集と指揮の中枢を維持するため、このように特殊な庁舎を用意したのだと推察するのは、勘ぐりすぎだろうか。

 ここまで有事に備える防衛省を頼もしいと見るか。そのような事態を想定することを恐ろしいと見るか。ともかく近所の住人として、この建物が役に立つような事態はごめんこうむりたいものだ。

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コメント

市ヶ谷は予備校の時に通っていたことがあるので懐かしいですね.(防衛医大をしゃれで受けに行った時に市ヶ谷駐屯地の幹部学校に入った事があります.)
地下の構造にも興味がありますが,どこか(官邸,皇居)と地下でつながっている可能性はいかがでしょうか.
そういえば東京の地下鉄を解析した本がありました(題名は失念してしまいましたが).

投稿: drhasu | 2007/02/14 18:03

アクエリアン先生 こんばんは
三苫です。

気にかかったので、googleで「核を持ちたい」を検索すると、
エマニュエル・トッド氏という歴史学者の方が日本に核武装を
勧めていました。議論を紹介したジャーリストの方は、頭の体操
だと思って読んでほしいとのことでしたが、なかなか反論が難しい
ように思いました。アクエリアン先生は核兵器反対だと思いますが、
先生でしたらどのように反論されるでしょうか。
http://www.asahi.com/column/wakamiya/TKY200610300159.html

投稿: 三苫 | 2007/02/14 19:58

三苫さん

エマニュエル・トッドは「帝国以後」といういい本を書きましたが、フランス人で、原子力利用についての日米関係の機微をあまり理解せず、日本が核武装すると、アメリカの覇権がますます弱化するだろうと、面白がっているフシがあります。この意見には全く同意できませんね。

日本の核武装について、三つの意見に別れるでしょう。

a) 日本は核武装すべきでなく、その是非の議論すらすべきでない。
b) 日本は核武装でべきでないが、なぜ核武装しないのかの議論をすべきである。
c) 日本は核武装を考えるべきである。

私は、b) ですが、非核三原則の見直しをすべきという議論には与せません。

原子力の関係者は、ほとんど大半が a) または b) で、原子力をやっている人で c) という人は、非常に少ないでしょう。日本が核武装を現実問題として言い出したとたんに、日本の原子力は立ちゆかなくなる、エネルギー(石油の輸入など)も危なくなる、ということをよく知っているからです。

投稿: アク | 2007/02/14 20:58

drhasu さん

市ヶ谷台が、皇居や官邸などに地下でつながっているか。面白い話題ですが、どうでしょうか。東京の地下構造の秘密について、面白そうに書いている本があるのは知っていますが、マジ面白かったのは、一冊目の国会議事堂前の地下鉄駅あたりの指摘だけだったような。すでに都営新宿線、有楽町線、半蔵門線、南北線などの地下鉄が、このあたりを分断して造られました。地下トンネルがあるとすれば、その建設時に問題になったでしょう。そこまで情報管理ができるほど日本は秘密管理ができる国とは思えないです。このエントリで書いた施設が核攻撃をされた時の司令塔として役立つとして、じゃあ、官邸はどうするか。たぶん首相官邸が2,3年前に更新されましたが、その際、それなりの対策は講じられているのではないでしょうか。

投稿: アク | 2007/02/14 21:17

>日本国核武装
核武装といいますが、では実際に核武装をして陸海空のどの部隊が運用するのかその運用主体や運搬手段がよく分からないのが玉に瑕ですね。ただ単に核を保有してそれで終わりという話ではないと思います。戦術ミサイル基地を作っても、実際に戦争になった場合は真っ先に攻撃対象になって破壊されるのは明らかです。
それと何を想定しての核武装なのかですね。北に対しては抑止力にはならない可能性があります。中国の赤い貴族達にはなり得るかもされませんがね。
日本国核武装を主張する方々にはその視点が大きく欠けているのではないかと思いますよ。

投稿: ピエット提督 | 2007/04/01 17:45

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