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2007/03/29

制御棒脱落後の「臨界」状態・再論

 沸騰水型軽水炉(BWR)の定期点検中に、弁の操作ミスなどで制御棒が炉心から抜け落ち、原子炉の一部が「臨界」になったと報じられている(北陸電力・志賀第1原発、東京電力・福島第1原発)が、それはどのような状態であったか。前のエントリ(『「臨界」への疑問』07/3/22)で疑問を投げかけ、原子炉のことを多少知っているつもりの私なりの推定を述べた。その後この分野の専門家が、私の誤認を指摘するメールを寄せてくれた。私が見落としていたことがあった。それは原子炉は停止中といえども、冷却水は強制循環されていること、したがって、少々の超臨界では水温上昇やバブルの発生などということはないだろうということだ。私が書いた超臨界と未臨界の間の振動もないことになる。では、どのようなことになるのか。それをあらためて考察してみたい。

 もう一つ指摘をいただいたのは、JCO事故の際、ウラン溶液の飛散はなかったということだ。これついては事故後の調査、シミュレーションにより明らかになっているようだ。その部分も訂正しておこう。

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2007/03/22

「臨界」への疑問

 保守点検中の原発から制御棒が数本抜け、原子炉の一部が臨界状態になったという(北陸電力・志賀第1原発、東京電力・福島第1原発)。なぜそんなことになったか、それはそれで大問題である。だが、もう一つ釈然としないことがある。臨界状態が長時間続いたと報道されているが(志賀では15分、福島では7時間半)、それはどんな状態だったのか。ちょうど臨界というようなことが長く続くというようなことがありうるのだろうか。もっとひどい事態があったのではないか。当事者は実情を隠蔽せずに語るべきではないか。原発安全の専門家は考えられる事態を「臨界」などという言葉でごまかされずに、実際にどういう過程が起きていたかを追及すべきではないか。原子炉のことを少しでも知っているものなら、誰も持つであろう疑問を書いてみる。たぶん識者には推定のついていることだろう。それを当事者発表の「臨界」という言葉で覆い隠すという、もう一つの隠蔽があるとすれば問題だ。

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2007/03/21

新掲示板、Aquarian's Salon を始めた

 HP『アクエリアンの知・楽・遊』に二つの掲示板を持っていた。Niftyの有料掲示板である。片方はおしゃべりのため、もう一方は画像を投稿していただくために、と使い分けていた。今回、このサービスを停止するとの通告がきた。じつは、前者の掲示板には、このところ毎日十件を越えるスパム書き込みが来ていて、削除に追われていた。Niftyもお手上げだったのだろう。

 かわりの新掲示板に移行することにした。Niftyの子会社が提供しているもののようだ。無料であるかわり、広告が入る。画像を貼ることもできる。これまでの二つを一つにし、さらにHPとこのブログの共通の談話室(掲示板)とすることにした。このブログの右上の「My Homepages」の3行目、Aquarian's Salon(掲示板)をクリックして行くことができる。もとの「おしゃべり談話室」のこれまでの発言も移行してある。

 このブログでのエントリへのコメントは従来通りとして、もっと一般的に、アクへの意見、感想、質問などはもちろん、読者同士の話し合いの場になればと思っている。なんでもよし、気軽に書き込んでいただきたい。

 どうも私の書くものは難しげで、かたく、コメント書き込みをするには、バリアーは高かったように思う。話題によっては、非常につっこんだ議論が続いたものもあり、ありがたく思っている。しかし、もっと気楽に書き込める場所があってもよかろうと思う。新談話室「Aquarian's Salon」がそのような場になってくれたらと思う。

 画像も貼れる。各人思い思いの写真を掲示する場所として使ってもらうことも期待している。自分のパソコンのどこかに画像ファイルを置いておき、書き込みの際そのファイルの場所を指定すれば、画面に貼れる。画像の大きさは、一応、長辺800ピクセル以下、ファイルサイズ、100kB程度かそれ以下を目安にしていただきたい。

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2007/03/14

武州石神井邑・油屋 勝右衛門

070314aburaya  妻の母方の先祖は練馬区石神井あたりに住まう豪農であった。その家族の物語を妻の妹夫婦が書き、私家本として出版した。この家族の繁栄と没落の物語のさわりと、長年の調査の末に本の出版にこぎつけた妹夫妻、特にその夫のことを書いてみよう。

 油屋を屋号とし、名字帯刀を許されて本橋勝右衛門を代々名乗ったこの家は、江戸西郊石神井にて油絞りその他の事業を営み、神田や新宿に店を持ち、明治になってからは北豊島郡の郡長を出した。その次の代が事業に失敗し、没落して石神井の地を離れた。妻の母は、この郡長だった人の曾孫に当たる。土門拳賞などを受けている写真家本橋成一が直系の当主である。

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2007/03/09

温暖化予測は検証されていない?

 温暖化問題について、少し無謀なことをしてみようと思う。この分野の専門家が書かれたことに、素人である私が疑問を投げかける、ということだ。それは「予測」についてである。仮説と実証という科学の本来的なあり方を説いた上で、予測は実証されていない、そのとおりになるかはその時になるまで分からないと、この専門家は書いている。これは、正論のようでいて、ミスリーティングではないか、そう私はいいたい。予測とはいっても、過去のデータによるモデルの検証という、いわば実証に近い科学的テストがくり返し行われており、これは通常の科学での仮説と実証にほぼ相当することを、いうべきではないかと思う。

 前のエントリで温暖化問題について書いたことで、コメントをたくさんいただいた。その中で教えていただいて、名古屋大学の高野雅夫助教授のブログ『だいずせんせいの持続性学入門』を読みにいってみた。今回のIPCC報告書について、地球環境科学の専門家らしい的確な紹介をしておられる。その一連のエントリの最初に書かれた「『予測』とはなにか」にある「予測=未実証」説に、私は引っかかる。シリーズもののイントロとして書かれ、そのあとの文脈では、妥当な見方に戻っているのだから、目くじら立てることはないのだが、やはりここに書かれた予測論は誤解を与えるものだと思う。

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2007/03/03

田中宇の「温暖化のエセ科学」論は?

 国際ニュース解説の配信者として知られる田中宇が、最近発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次報告書を、エセ科学だと批判している(ここ)。1990年の一次報告以後、2,3次と研究成果を積み重ね、疑問点について議論を深めて解決し、予測の確度をあげて、今年第4次報告の完成を目指してきたIPCCと、それに参加している世界中の2千人を超える気象科学者の努力を、一部の異論を誇張して示すことで、エセ科学だと斬り捨てるのは乱暴すぎよう。私は専門家ではないが、この問題に関心を持つものとして、田中の議論の主要点をチェックしてみる。

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