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2007/05/28

断片的に、現状を

 これは私の現状報告的なメモである。私の生活が、いかにゴチャゴチャであるかを、自己描写的に書いておこう。それぞれにまとまったエントリに発展させるつもりもあるが、それには時間がかかる。このところ忙しく過ごしているので、断片的なメモとする。

 ドイツ旅行の合間に村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」3部作を読んだ。ときおり思い立って彼の長編を読んできている。海外旅行時の暇な時間をつかうことが多い。彼の小説を読み進める間、主人公「僕」に共感し、素直な気持ちになる。「僕」は、どちらかというといつも受け身に、さまざまな状況に巻き込まれていく。それは時には異世界的状況である。それもメタファーとして意味深い。しかし、「クロニクル」はこれまでといささか勝手が違った。まだ自分の中で処理しきれずにいる。「処理する」というのは変だが、印象を自分なりに納得するプロセスをいっている。

 きのう、気分転換に、リチャード・パワーズの「村上春樹論」(雑誌「新潮」06/5月号)を読んだ。村上について国際シンポジウムが開かれた。その時の基調講演だ。その村上論は非常に面白かった。というは、私個人として関心を持ち続け、自分なりの筋で追いかけている脳科学と心の哲学的問題に関わる主題を取り上げていたからだ。村上は最近の脳科学が辿りついたものを、文学の世界で先取りしていると、彼は言っているようだ。かつてHPで紹介した「ガラティア2.2」を書いたリチャード・パワーズとしては、こういう観点もありかな、と思う。それもさることながら、最新物理理論の多次元世界論にも関係しているなと、私はときどき感じている。これについては私は興味を持っているが、深追いできるだけの脳力がない。
 川村湊「村上春樹をどう読むか」を読んでいる。村上を賞賛する調子の村上論が多いなかで、舌鋒鋭く村上を批評している部分がある。これは読み応えがありそうだ。ただ、序章「はじめに」以外は、これまであちこちに書いた批評の寄せ集めである点がもの足りない。

 

ジェイ・ルービンの「ハルキ・ムラカミと言葉の音楽」を取り寄せた。これは日本の批評家すらかつて書けなかったほどの重厚な村上論のようだ。川村を終わったあと、読むのが楽しみだ。

 それ以前に清水良典の「村上春樹はくせになる」(朝日新書、06/10)も読んだ。少し前に「国境の南、太陽の西」を読んだ頃だろうか。作家論はよく読む方だ。作家と自分が向き合うことと併行して、他者はどうこれを読んでいるのかが気になるからだ。

 村上春樹のことばかり書いたが、自分の思考と生活はそこに集中しているわけではない。バラバラにいくつかの極があって、現在のところ、その一つが村上に過ぎない。

 旅してきたドイツについて、まだ放ったままにしてあるが、これは片づかないままにしてある。旅した間にあった人たちにまだEメイルも書かずにいる。世話になったヒルダに、もっと手厚く書き送らなくてはと思いながら時間を作れずにいる。短く忙しくしていると書いただけだ。

 写真作業がある。参加しているデジタル写真クラブの月例作品館に、ドレスデンで撮った写真から5作品を選んで投稿した(ここ)のが昨日のことだ。数百枚撮った画像から、選別し、絞り込み、画像処理し、コメントを書き添えて投稿する。忙しくしている中で、この三日やっとその作業を間に合わせた。

 ドイツから帰った後、どっと忙しいスケジュールが押し寄せている。自分で好んで、そのような忙しい状況を作り出してしまったようだ。ドイツから帰って2週間あまり。そのうち半分の日数、東京にいた。ある女子大の同窓会が主催する聖書講義を聴講することになった。私としては意外な展開だが、これについては、いずれまとめて書こう。ともかくそのため、毎週一度東京に出てきている。その他のスケジュールとをつないで、その合間を埋めている。旧友と一日を過ごした。久しぶりに旧交を回復して以来、ぜひ自分の住む地域を案内したいと求められていた。一日、西部武蔵野のあちこちを訪ね歩いた。

 息子二人と半日、飲みかつ語った。思いがけずそんな次第になってしまった。上の子がデジカメに興味を持ち、ニコンのデジタル一眼レフを買うと相談を持ちかけてきた。レンズセットを買うより、ボディだけを買いなさい。レンズは親爺(私)のお古で間に合うとアドバイスした。新宿に呼び出してレンズを渡す約束をした。デジカメの手ほどきもしてほしいというので、じゃあ、ビールでも飲みながら、ということにした。その席に次男坊もやってきた。外資系を渡り歩き、とても忙しく働いている子だ。午後前半からはじめて、結果として大ジョッキを3杯ずつ飲んだ。大ジョッキにはクジがつていた。最初のクジで、親爺が1等を引き当てた。そのあとは4等かハズレだった。

 ビアホールはガラガラに空いていた。その中で息子二人に、大声でさんざん責められた。親爺はブログでバカな戦いをしている。あれはやめた方がいいと。ふたりともこのブログでの経緯を詳しく追っていたようだ。気分を変えようと、そのあともう一軒はしごをした。ビアホールからしゃれた京料理の店へ。迷路のような地下道をすいすい移動する親爺の行動に息子たちは、目を見張ったようで、ちょっと痛快だった。何のことはない、通い慣れた道だ。新宿については息子たちよりはるかに年季が入っている。

 とびとびのスケジュールの一つが、加入している写真の支部の撮影会だった。山手線沿いの撮り歩きが、このところ撮影会のテーマになっている。山手線沿いにぐるりと通りやすい道があるわけではない。ときには折れ曲がる細い道を辿って歩く。昨年は山手線の内側を回るのを済ませ、このところ、外回りしている。今回は田端から神田まで歩いた。毎回ジグザグの線分をつないで、ループを完成しようとしている。プロ写真家の支部長が、コースを決めてリードしてくれる。こちらはついていくのがやっとだ。私もこの写真支部には創立以来関係し、世話役の一翼を担っている。今回は帰国直後だったが、都合がうまくつき参加できたのだった。歩き終わると、かならず飲み会になる。今回は新入会員の参加もあり、にぎやかだった。

 この撮影会が土曜日。日曜日に先に書いた息子との合流を入れ、月曜日に友人との武蔵野歩き。火曜日はオフ(何もスケジュールのない日)だったので、ここにジュンク堂を入れる。ときどきこの巨大書店に行き、思う存分本に遊ぶ。昼食を挟み、一日をつぶせる。できるだけ買わないように、と心がけながらも、ついつい買いすぎて、宅配を依頼することになる。買わないようにというのは、とりあえず買っておくという本の買い方から、残存寿命を考えて、生きているうちに読める本だけを買うことを心がけるようになったからだ。それにワイフからの圧力もある。口座引き落としで本を買うことで、月ごとの小遣いを越えて本を買いすぎていることを責められる。

 そして水曜日午後は聖書講義と、夕方から夜にかけ本橋成一の写真展とトークショー。後者については先のエントリ(『本橋成一の写真』05/5/25)に書いた。

 ほかに哲学書の継続読書がある。近頃パトナムをもっぱら読んでいる。ローティを読んで、これでもういいかと思いながら、その先と反論を追っている。パトナムは、非専門家には細部の違いにこだわりすぎてフォローできずにいるが、ローティを無視したり、異論を唱えながら、結局ローティの結論に寄ってきていると、素人考えで見当をつけている。いまさら何でこのあたりを追いかけているのか。我ながら無駄だと思いながらも、どうしても自分で納得して結論づけたい気持ちがある。それでいて、哲学の議論には終わりはなく、果てしないことを知っているつもりだ。いつ止めたにするか。自分でもわからない。

 環境問題も、追っている。最近「物理学者、ゴミと闘う」(広瀬立成、講談社現代新書、07/4)が目につき、読みはじめた。ああ、いかにも物理学者だな。無邪気な議論をしている。その無邪気さを問題にしてやろうと読んでいるうちに、槌田敦の「CO2温暖化説は間違っている」(ほたる出版、06)の議論を引用しているのが目について。これは間違っているぞと、これまた深追いしそうな気配。

 というようなところで、今日はまた東京にいる。明日長野県へ東京から日帰り。ワイフがボランティアしている織りの協会誌のインタビューに、カメラマンとしてお手伝い。いつもは観光をかねて出かけることで元を取っているのだが、今回はそのゆとりもなし。そしてその翌日は、このところ毎週の聖書講義へ出席。これについては先に書いたようにいずれまとめたエントリを。

こんなはちゃめちゃぶりを断片的に書き、とりあえずの現状報告。

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コメント

ドイツからお帰りになられたばかりで超人的なご活躍、頭が下ります。私も読みたい本が倍々で増えていき、現状、平行して4冊読み進めていますが、しかも、今アクさんご紹介の村上春樹さん関連も読みたくなってしまいました(呆れ顔)。アクさんのようには平行思考が追付かず、いい加減、一冊づつ読み進めようと腹を括ったところです。
今回の記事、アクさんの日常生活の息遣いも感じられて面白く拝見しましたよ。
では、また。

投稿: 梅吉 | 2007/05/29 21:39

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