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2007/07/26

非難ばしご

 居酒屋で飲んでいた。ふとわきを見ると、ドアがあって「非難ばしご」と大きく書いてある。なんだかおかしい。酔いが回った頭でボヤーと考える。ホッピーわり焼酎という安酒を、注ぎ足しを追加までして、かなり飲んでいた。「非」はいいとして、「難」がおかしいのかな。いやいや、待てよ、「避難」ではないのか。それとも「非常」かな。それに、「はしご」とは何だ。ドアを開けると梯子があるのか。ビルの窓から地上に降りる、縄ばしごかな。いやだな。まてよ、ここはたしか地下のはずだ。まさか縄ばしごではあるまい。ドアを開けると、木製の梯子でもあって、地上に登るようになっているのか。

 料理を運んできたおばさんに言ってみた。いつも苦手にしている人なのだが、サービス上手を自認しているらしく、頻繁にやってくる。「あれおかしくない」と。「あれぇ?、そう言われれれば、何かおかしいですねぇ。『非』がおかしいんだゎ。『避難』の『避』ですよねぇ」。この店は、おっかさんの手料理を出すのが売りの居酒屋で、家庭的雰囲気がけっこう気に入っている。しかし、このおばさんだけは苦手である。水商売っぽく、厚ぼったい愛想を振りまくのである。

 新宿通りを地下に入った大きな居酒屋である。ビルの地下1階全体を使って、カウンターのほか大小のテーブル席が並び、座敷も二部屋あって、6,70人は入る規模である。この夜はけっこう混んでいて、一番奥のテーブルに案内された。そこではじめて、「非難ばしご」ドアに気がついたのであった。

 帰りの帳場には、貫禄のあるオーナー・ママさんがいた。「『非難ばしご』、間違っていました。でも今まで、私たちも気がつかなかったし、お客さんに言われたこともなかったんですよ」。私の知るかぎり、開店して7.8年も経つ店である。これまで誰も気づかなかったとは。それほど、「避難ー非難ー非常」の混同がうまくできていたのか。

 私は冗談をいうふだんのペースを取り戻していた。「お店の料理やサービスに文句をつけ、非難するお客さんを追い出す出口じゃないんですか」と。ママさん「いくら何でも、そんなことしませんよ。また、いらっしゃってください」

 今度行ったときには、書き直されているだろうか。ドアを開けて、梯子がどうなっているか、確かめたかったな。それにあの厚ぼったいおばさん、何とかならないかな。非難したくなる。いや避難したくなる。

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コメント

アクさん、こんにちは。
>それにあの厚ぼったいおばさん、何とかならないかな。非難したくなる。いや避難したくなる。
素敵にオチのついた小話?!、とても面白く拝見しました(笑)。

アクさんは、実は、ストリーテラーだったのですね・・・・。

投稿: 梅吉 | 2007/07/26 12:49

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