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2007/12/21

線引き

 C型肝炎薬害問題の解決を難しくしているのは、「線引き」らしい。製薬企業がフィブリノゲンの製造工程を変えたため、感染危険度が高まることになった85年8月から、厚労省が危険を認識して緊急安全性情報を出した88年6月の期間。この間については責任を認め救済しようというのが「線引き」である。製薬企業については製品を流通させたままにしたわけだから、もっと広い範囲に責任があるだろうし、政府にしても、書類一つを出しただけで、放置しておいた責任はあるだろう。線引きについても、各地の裁判所の判断はまちまちらしい。今回、大阪高裁は和解勧告するに当たって、最も範囲の狭い線引きを採用したうえで、そこから先は政治判断ですよと、政府の対応にゆだねたようだ。その後の混乱からすると、なまじ線引きについての判断を出さない方が政府は柔軟な和解案がが出せたのかもしれない。法律というのは冷たいものだ。責任範囲を線で決める。実際にその線を越えて人命は損なわれているにもかかわらずである。

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2007/12/11

届かなかった手紙

 「おれ、お前に打ち明けることがあるんだ」。つい先日、高校の在京同期会の忘年会にでたときのことである。何ごともあけすけに話して憎めない「ボッチャン」というあだ名の友人が、今回もカラッとうれしそうに話しはじめた。この人のことは2年半前にここに書いたことがある。それに目を通してから、以下を読んでいただくといいだろう。「お前が転校してからさ、すぐのことだったんだけど」。そう、僕は高校3年になって間もない6月、突然の転校をしたのだった。「同期の女の子がおれに頼みがあるといってきたんだ。お前に手紙を送り届けてほしいと」。転校後、僕は近況をクラス宛ての通信として何度か送っていた。その地方では有数の進学校の仲間に東京での受験事情などを伝えれば、少しは役に立つかと思ってのことだった。多分そのことを知って、クラスの代表株のボッチャンに頼めば、僕に手紙を届けられると思ったのだろうか。「いいよ、と引き受けたのだけれど、おれ、けっきょくお前に送らなかったのさ」。こんなことを平気な顔をしていえるのが、この人なのである。

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2007/12/04

デンマーク - 高負担でも競争力のある国

 税金が高い。所得の70%もとられる。消費税率は25%もある。組合が強い。社会民主主義的な政治が支持されている。そんな国がグローバリゼーションの進む中で競争力を維持できるはずがない。それが最近の常識である。ところがデンマークはそのような国でありながら、高い国際競争力を誇っている。

 一つ前のエントリ「先送りでいいのか」(07/11/27)で、日本の国の将来の形を考えるさい、税制の問題は避けて通れないのではないかと書いた。念頭にあったのは一つのモデルとしてのデンマークなど北欧諸国、高福祉・高負担の国である。このモデルについては、さんざん議論があり、小泉構造改革以降の政治は、ある意味、逆の方向を目指していることは承知している。しかし、その結果としての格差が大きく問題になってきた。遅かれ早かれ年金制度の抜本改正と消費税が絡んで論じられることになるだろう。こういう状況のなかで、デンマークのような国のあり方も一つのモデルとしてあることをあらためて確認しておくのもいいのではないか。そこで、前のエントリを書くきっかけになったTIME誌(07/11/26号)の特集 ”The best countries for business" でも注目しているデンマークの例を少し詳しく紹介して、みなさんに考える手がかりを提供しようというつもりである。政治や経済の問題にまったくの素人がこんなエントリを書くのは、蟷螂の斧(とうろうのおの)であるが、しばらくお付き合いのほどを願いたい。

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