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2008/05/08

PhotoShop を使って翻訳作業

080507psweb

 今回はパソコン上の技法の話。タイトルはちょっと誤解を招くかな。PhotoShopに、自動翻訳機能などあるはずがない。翻訳作業を効率よく進めるための補助ツールとして使えるよ、ということである。ちょっと思いついたので、人によってはお役にたつかと書きとめておく。

 必要があって英文の長いものを翻訳している。翻訳という作業は、原文を読んだり、和訳をパソコンに書き込んだりの作業になる。センテンス・バイ・センテンス、場合によっては、一文節ごとの対照作業になる。原文と進行中の和訳の草稿との間を行ったり来たり。原文が本だと、結構厄介な作業だ。クリップとか、ポストイットなどを使うといいのかもしれないが、本のどこを訳していたのだっけ、といちいち前後を読んで探して、作業中の文なり、文節を見つけて、和訳を考える。この繰り返しが面倒だ。当然この作業をもっとやりやすくしたいと考える。

 そのさい、原文をスキャナーで取り込んで、それを画面に表示し、翻訳の進行個所に目印を付けられると作業がやりやすくなる。そのために画像処理ソフト(私の場合、PhotoShop)を使い、範囲指定して、その中を色塗りするといいだろうというのが、ここに書く私の工夫である。和訳を書き込むエディターと両方を画面に並べて、ほぼ水平に同じ位置で作業をすれば、能率が上がる。

 PhotoShopか、同様の画像処理ソフトをご存じの方は、これだけ書いただけで、察しがつくだろう。あまりご存じない方に、もう少し手引きを書いておく。原文をスキャナーで取り込む。何ページかまとめてやって、どこかに画像ファイルとして保存しておく。取り込むときにはグレースケールであろうが、作業前にRGBカラーのファイルに変換しておくといい。これは選択範囲に色づけするためである。良くあることだが、スキャナー取り込みをした文書の水平が傾いていたら、PhotoShopのキャンバスの回転機能で、0.1度単位で修正できる。さて、翻訳に取りかかる。翻訳する個所を長方形に範囲指定する。そしてそれを色塗りする。描画色を好きに決めておいて、編集→色塗りである。Shift+F5 のショートカットが使いやすい。透明度を20-30%程度にすると具合がいい。翻訳が進むにつれて、次の部分に移る。その前に色塗りを消す(Ctrl または ⌘+U)。選択範囲は範囲内をドラッグして移動させる。これの繰り返しであるが、じつに気持ちよく進む。別にPhotoShopなどという高級な画像処理ソフトを使う必要はない。文書を画像として取り込み、範囲指定して色付け(半透明)ができるソフトであれば何でもいい。

 同様なことは、原文をスキャナー取り込みし、OCRソフトを利用して、テキストに変換したものを、テキストエディターなり、ワードで表示をして行える。pdfファイルを作り(アドビ・アクロバットが必要)、それを表示して、翻訳部分を選択、その範囲を変えながら進める方法もあろう。たぶん翻訳の専門家ならそういう手法をとっくにお使いのことだろう。私の場合のように、短期的にちょっとだけやる際、画像処理ソフトをお持ちならこんなやり方がありますよ、という簡易手法の紹介である。

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コメント

翻訳に関係する話題ということで一言コメントさせてください(私も翻訳者のはしくれなので^^)。Aquarianさんが取り上げられたような方法を使っている翻訳者もいると思いますが、現在プロの翻訳者の間では「翻訳メモリー」という概念に基づいた翻訳支援ツールが主流になっています。それがどんなものかは、SDL社のサイト(http://www.translationzone.com/jp/about-us/learning-resources/)や拙文(http://www.amelia.ne.jp/user/reading/essay_224.jsp)をご覧いただければ多少御理解いただけるかと思います。
またSDL社ではデモ版を公開していますので、試しに使ってみることはできます。ただしこのソフト、プロも持て余すことがあるぐらい使い難く、しかも高価格であるので購入はお勧めしません(他にも類似の商品がありますが、そちらについては私に知識がないのでコメントは差し控えます)。ま、世の中にはこんなアプリケーションもあるのだといった御参考までにコメントさせていただきました。

投稿: Jack | 2008/05/09 00:46

Jack さん

コメントありがとうございました。翻訳を専門にされている方向むきの専用ソフトはあるだろうな、と思っていました。そんな分野にとんと縁のない素人が、ふとこんなのどうだろうとアイデアを書いてみたのでした。

自動翻訳をさせて素材を作ったり、辞書と連動したり、翻訳案を併記したり、改訂履歴を残したりと、いろいろとあるのでしょうね。

教えていただいたJackさんのページなどのぞいてみます。

投稿: アク | 2008/05/09 08:20

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