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2008/06/29

3度目の「岩波『哲学』講座」を手にして

 岩波書店が、また『哲学』講座を出すという。いまさら、こんなものを読むか、と自問自答して、しばらく躊躇した。しかし、第1回配本の「心/脳の哲学」のいくつかの論考に惹かれて購入することにしてしまった。書棚のたんなる置物となることは分かっているし、蔵書として持っていたところで、今後活用する機会もあまりないだろう。なにしろ年なのだから(後期高齢者、目前である)。それだのに手を出してしまうところに、自称「教養人、書斎人」、哲学ディレッタントの弱みがあるのだろう。

 これまでさまざまな哲学書を囓ってきたなかで、哲学が自分に何の最終解答を与えてくれない、その意味では無用なものであると、とうに結論を出している。これは私の独りよがりではない。哲学者自身もそのようにいっている。ニーチェが哲学の終焉を宣言し、ローティは体系としての哲学の役割は終わった、ありうるのは文芸批評と同じ役目、思想の解釈学だけだという。デリダは、(読んでいないが)哲学の脱構築を唱えた。自分としても、そのような文脈の中に哲学を位置づけているのに、なぜ今さら全15巻の「哲学講座」なんだ。何でそんなものに手を出してしまったのか。ほんと、自嘲気味である。

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2008/06/22

ジャガ豚と「ほげる」

 「そんなにくっつけて蒸しちゃあ、皮がほげちゃうよ」。思わず飛び出した「ほげちゃう」は、連れ合いも理解できる大分弁である。いや、大分弁とも意識せず、自然に口から出た言葉だった。それが相手に通じ、「それ大分弁よ」と返されてしまった。そうか、そういえば久しく使ったことがなかった。でも、その表現が、ジャガ豚の皮が破れた様子にはぴったりで、それ以外適切な言葉がないくらいだった。

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2008/06/17

麻布十番撮り歩き

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 おととい日曜日(06/6/15)、写真仲間十人で、麻布十番からその裏手の元麻布のあたりを撮り歩いた。その次第と、その折に撮った画像をアルバムにしたことを紹介したい。じつはこの会の案内役をつとめるため、事前にひとまわり歩いてみた。アルバムにした画像の中には、そのときに撮ったものが結構多い。当日は案内役に徹し、あまり撮ることに集中できなかったからだ。アルバムは以下にある。
「アクエリアンのフォトギャラリー」の最新更新「麻布十番撮り歩き」である。

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2008/06/12

明暗差の大きなシーンを撮る試み

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 今日は趣向を変えて、最近興味を持っているデジタル画像処理について、試してみていることと、理解していることを書いてみよう。

 上の写真(クリック→拡大)、一見、何でもないように見えるだろうがずいぶん変なのである。こんな写真を撮れるだろうか。晴れた空に昼の日光を浴びてマンションが空高くそびえている。手前の神社の屋根はともかく、朱塗りの柱や内部の壁や格子戸などはかなり薄暗い。それが同じ程度の明るさで写っている。明暗差が大きく違う部分が大差なく見えるように補正して作った画像なのである。最近のハイ・ダイナミック・レンジ(HDR)イメージ技術を使ってコンピューター処理した画像である。

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2008/06/03

中性子研究の進展を喜ぶ

 今朝の新聞に、「中性子放出に成功」との、小さな記事が載っていた(プレス発表はここにある)。茨城県東海村にある J-PARC という加速器施設で、プロトン(陽子)を加速して、水銀ターゲットから中性子をはじめて発生させた、というニュースである。ずっと以前私が関わったことがやっと実現したということで、私にとっても感慨深い。この計画のごくごく萌芽の段階で、大学と原研(私のいた原子力研究機関)の数人の関係者で非公式に話し合いをはじめた。私はそのメンバーのひとりだった。その段階から、計画が具体化し、機関間の調整をし、予算が認められ、技術開発が進み、施設建設に着手、そしてやっとビームが出るというところまで、20年近くかかっている。その間、さまざまな人たちの努力で、科学研究のための新しい道具がついに実現した。実際に研究が行われ、成果が出るまでにはさらに時間がかかるだろうが、今後を期待したい。

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