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2008/09/19

閃輝暗点、私の場合

 畏友、Dr. 松本がブログ(『Dr.松本の医学落穂拾い』)をはじめられ、長年にわたる臨床経験にもとづいて、さまざまな医学情報を書いておられる。そのなかで先日、閃輝暗点のことを話題に取り上げられておられた(「閃輝(せんき)暗点に関して」08/9/01)。脳内の血液の循環の問題だと。それほど深刻な症状の前触れでなさそうだと分かった。思い出してみると、たまに数ヶ月に一度程度、症状が出てくる。ほとんど忘れていた。ところが、つい最近、二日続けて出た。2週間ほど経って、今朝また出た。

 今朝も、早朝ウォーキングに出て、しばらく歩いたあと、そろそろ引きあげにかかるころ、その症状があった。ぼやーっと視野の一部が暗くなる。やがて、その部分がゆらぎはじめる。境界線がはっきりとしている。正常な部分と揺らいでいる部分との。あ、出たなと気づくのはその頃だ。領域はゆっくりとひろがっていく。ひろがるとともに、外周部に内に向かう放射状の線(ギザギザした線)が現れ、それが揺らいでいる。その内部はぼやっとしてぼけている。領域はさらに広がっていき、やがて消える。その間、15分か20分。消えてしまうと、視野は正常に戻る。あとに残るのは鈍い頭痛。2,3時間ほど、何ごとにも集中できず、ぼんやりと過ごす。

 そんな症状を自覚したのは、60歳を過ぎた頃だったか。当時は仕事も忙しく、ストレスもかかっていたから、それが原因かなと思っていた。しかし、そう頻繁に起きていたわけでない。これは問題だなと自覚して、医者に行こうかと思っていると、しばらく症状は出なくなる。何だったのだろうあれは、と思いながら、忘れている頃また出てくる。そんな繰り返しだった。

 症状が固定しないので、お医者さんにも相談しようがなかった。あれこれの病状に通じた知人が「加齢黃斑変性症」の新聞記事を見せてくれたが、それではなさそうだった。自己診断として、この症状は網膜部分の視神経が原因ではなく、網膜から何段階もの処理を経て行われる神経系のどこか、たぶん脳内の問題だと推察していた。3、4年ほど前、人間ドックで、緑内障の疑い、精密検査を受診するようにといわれ、眼科で検診を受けた。症状を話してみたが、若い医者は、そんな症状は聞いたことがないと無視した。緑内障の問題もなかった。その後、何かの偶然で、ネットで閃輝暗点のことを読んで、これだと思い当たった。原因は分からないが、脳の視覚に関係する部分の血流の問題らしい。そう知ったころは、症状がなかったので、そういうことかと気楽に見送った。

 症状の出方に、傾向性がない。疲れたとか、飲み過ぎたとか、パソコンの画面に長時間向かっていたとか、原因として思い当たる特定の状況がない。毎朝のウォーキング中に、2度経験したが、ときには夕方、ゆったりした気分で、本や夕刊を読んでいたときに起きることもある。視野の中で暗点が現れる場所も、その時その時で、まちまちである。視野の中心部に出て何かを見る障害になるとは限らない。周辺部に出て、どうということはないこともある。ただ本を読んだり、パソコン画面を見たりしているときは、それをやめて、しばらく休まざるをえない。右目か左目か、目をつぶっても閃輝が見えるので、どちらと特定する方法がない。目を向ける方向とともに動く。いったん暗点が現れると、その視野部分からひろがっていく。

 Dr. 松本によると、脳に原因があり、脳の視覚野の血管が収縮して起きるらしいとのことだ。ご自身も軽い症状があるとおっしゃっておられる。「高齢者は脳動脈硬化との関連を否定できないので眼科と神経内科か脳外科で一度は診察が必要です。 あまり心配いりません。」とある。そのエントリを読んだあと、症状が頻発している。別に意識することなく、忘れたころ現れるのだが、心因性のものがあるのだろうか。

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コメント

私も少しずつ、書かれておられた内容がわかる年齢になってきました。人間、お年を召されるといろいろと不具合が出て参ります。実験機器のように簡単にパーツを交換出来れば良いのですが、そうは行きません。再生医学が発達して将来はそのようなことが可能になるのかもしれませんが、現在のレベルではそうもゆかないところが歯がゆいところです。
 私も幼少の頃から、体調が悪いと必ず見る、感じる悪夢症状があります。かなり体調が悪いと、昼間の起きている時からその感覚に襲われる時があります。きっと私の脳のどこかに幼少時からのトラウマがあり、それが何かの機会に出て来るのだと考えています。興味あることに20から30代前半まではそのような症状が出ることはなかったのですが、35から40に入った最近になって、一定の頻度で出現するようになりました。昔の忘れられない、何とも説明出来ない悪夢の感覚。これは精神のそれも深部の問題、感覚の問題ですので、なかなか他の方に話してもご理解頂けないことは自覚しています。イメージング技術が発達して、脳の活動をもっと定量化できる時代がくれば、将来はこのような深部の部分まで切り込める可能性もあるかもしれません。
 ある意味、年齢を経てある程度老化が進むと、幼少時から持つ不具合が顕在化することもあるのだろうかと、勝手におかしな仮説を考えたりしています。
 年齢を経ますと上述のように心も体も不具合は出て参ります。しかし、それも全て自分の体の一部ですので、それらとうまく付き合うことが肝要かと考えております。くれぐれもご自愛頂けますよう。

投稿: Aurora A | 2008/09/20 02:20

Aurora A さん

 私も、病気で高熱のときだけみる悪夢があります。幼時によく見ました。最近では覚えがありません。高熱を発するような症状になることがない故でしょう。Aurora A さんの場合、一時それがなかったのに、最近になって出てくるようになった、それも覚醒時にも出てくることがあるとは。体調が悪くて、ふらふらになりながらも、無理して仕事をしたりしているのではないでしょうか。

 私のような症状は、松本先生によると、若いときに発症し、加齢とともに症状が消える場合もあるらしいです。視覚には、脳内の異常が目に見えるというところがありますね。異常とはいえませんが、急に立ち上がったとき、視野のあらゆるところに小さな斑点のようなものが漂う経験をします。これなど、立ち上がることによる血流の変化のせいでしょう。

 おっしゃるように脳の生理が神経細胞のレベルで解明されるようになると、分かってくることが多々あるのでしょうね。

投稿: アク | 2008/09/20 17:57

 アクさんお早うございます;骨折を繰り返しながらがんばっています。先日お会いできて話をし、頑張ってブログを書いています。読者の方からのお質問で閃輝暗点について思い出しました。私の患者さんは軽いき閃輝暗点の方が多くブログに書いたような説明をしています。アクさんのような強度の近眼の方はやはり眼科受診、次に高齢者の仲間入りをされたので神経内科とか脳神経外科受診です。私の閃輝暗点は黄色いまが玉ですがまが玉に対する気味悪い思い出が潜在しているのかもしれません。

投稿: 尊愚問 | 2008/09/22 05:46

初めまして、トシくんと申します。私も同様の症状に昨年から悩まされています。(46 歳) 昨年の 9 月に始めて症状が出て以来、計 7 度ホド、“光の輪” を見る羽目になりました。(>_<)b 間隔は最長で 5 ヶ月、最短で 2 日連続。また私の場合、ほとんどの方が訴えられる、症状が治まった後の頭痛等の症状が全く無いのですが…

ただ WEB 上の閃輝暗点関連の情報を見ると、『中高年になって発生する頭痛を伴わない閃輝暗点は、脳梗塞等による脳循環障害が原因である可能性がある』 との記述が、いくつかあったので、やはり心配になって、総合病院で CT 撮影&診断をしてもらったところ…

最終的に、それホド心配はいらないとのコトだったのですが、その際は、ちと面白いやり取りになりました。

先生:まぁ、心配はいらないと思いますよ。
私:(ホッとして) あ~、良かったです。
先生:(CT の写真を見ながら) この辺の白い影は脳梗塞の跡なんですがね~。
私:脳梗塞ですか…って、の、脳梗塞!?(心配いらなくないッス!)(T_T)

帰宅後、WEB 上で色々見てみると、確かに症状に現れない微小脳梗塞と言われる症状が、40 代で 30%、60 代で 70~80% ホドに見られるとあったので、その辺も含めて、今すぐ心配はいらないというコトなのかな~と、自分なりに理解しています。

ただ先生も、年に 1 度程度、もしくは連続して症状が出るようなことがあったら、再検査した方が良いと言われたので、ま~~ったく心配しなくて良いというものでも無いようですね。

投稿: トシくん | 2008/10/06 15:37

トシくん さん

 症状的には、私のと似ていますね。症状消失後の頭痛が、まったくなかったことも多かったです。直後の偏頭痛のことを知って以来、そういえば自分も軽い頭痛があるなと、意識しはじめたのでした。偏頭痛はとても激しいものだそうですから、私のは別物でしょう。私は若いときから緊張性の頭痛がよくあるほうで、頭痛薬は手放せません。

 年をとると、誰しもが、トシくんさんが書かれたように微少脳梗塞があちこちにある状態になっているのでしょう。それが微少でその部位の神経細胞が死んだ状態になっても、目立った障害は出ないのでしょう。

 閃輝暗点がそのことと関係があるのかについては、この症状が一過性であるため、よく調べられていなし、原因なのか、結果なのか、まったく関係ないか、専門家もよく分かっていないのではないか、と思います。

 脳内活動については、最近ではさまざまな手段で可視化できるようになってきていますから、閃輝暗点の頻発する患者さんがおられたら、その方を被験者に、血流を含めて脳活動のマッピングをするなどすれば、だんだん分かってくることがあると思います。

 この欄のコメント以外に、メールでもご意見をいただいておりますが、私の楽観視をたしなめ、ちゃんと専門医に診察を受けなさいとご忠告をいただいています。いざ受けに行ったら、トシくんさんと同じような問答を繰り返すことになることでしょう。もう少し様子を見ることにします。

投稿: アク | 2008/10/07 14:36

はじめまして。
以前、おじさまの死についての文章を読ませていただいてから、たびたびここを訪れています。
閃輝性暗点は私の幼少時よりの持病の1つです。
10歳くらいの頃からでしょうか。現在は回数は少なくなったものの、年に数回は引き起こします。
若い頃には必ず偏頭痛と吐き気がともない、頭痛が抜けるまで1週間はかかりましたが、年齢とともに事前に対処できるようにもなり、頭痛は軽減することも可能になりました。
また、幼少時には「おっとせい飴」というおっとせいの脳下垂体だか髄液だかから抽出した成分の非常に不味い飴くらいしか、対処する薬といいますか、なんでしょう、そういったものがありませんでした。
が、現在は起こしはじめに服用すれば軽減できる薬もいくつか作られています。
こめかみ付近の毛細血管の収縮けいれんにより起こると聞いておりますが、この独特な視点の喪失感や後のひどい偏頭痛、吐き気はとてもイヤなものです。
芥川龍之介の「歯車」が、一説によればこの疾患であったのでは、と言われておりますが、それも少しわかるような気さえいたします。
どうぞ、ご自愛なさって、大事にしてください。
ブログ、楽しみに読ませていただいております。
長々と失礼いたしました。note

投稿: かもさん | 2008/10/07 21:41

かもさん さん

「叔父の死」を書いたのは、ずいぶん前ですから、ずっと読んでいただいているわけですね。どうもありがとうございます。

偏頭痛は、医学界ではあまり問題にされずにいたようですが、最近ではいい薬がいくつかでているらしいですね。私の次男も製薬会社で担当していたことがあり、そんな事情を知っています。最近、自己注射をする即効性のものがお医者さんの処方で使えるようになっています。それの認可とマーケッティングをやっていました。

コメントを寄せていただいてありがとうございます。かもさん のような方に読んでいただけることが、私が書き続ける励みになっています。

投稿: アク | 2008/10/08 07:27

私も19歳に閃輝性暗点になりました。原因が分からずとても辛かったです。私の場合、事務の仕事をすると症状が表れます。我慢をして、仕事を続けていたら、ほとんど毎日発作がおこるようになってしまいました。しかし、体を動かす仕事をするとあまり起こらなくなりました
改善したのは、ぶどう酒を飲むのも効果があった気がします

本当は、事務の仕事をしたいのです。研究が進んで、治る薬が出来てくれると嬉しいです

投稿: 杏 | 2012/01/27 10:19

杏 さん

毎日起きるほどでしたら、医者に診てもらったら良かったですね。

若い人の場合、片頭痛と関係があるらしいです。例えば以下。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~yuyo/zutu/zutu1.html

片頭痛には薬があります。片頭痛を治す薬が、この症状にも効くかどうか、確かなことは知りませんが、片頭痛の前兆としてこの症状が現れる場合があるそうですから、その場合は薬が効くのではないでしょうか。

次男が以前、その薬の厚生省承認を受ける担当をしていたことがあります。自分で注射をする(針を刺すのではなく皮膚から圧入する)タイプの薬とききました。もちろん医師の処方による薬です。片頭痛の薬は何種類かあるようです。

投稿: アク | 2012/01/27 15:38

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