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2009/02/24

利己心から強欲への暴走を止められるのか

 オバマ大統領は就任演説の切り出しの部分で「私たちが危機のさなかにあるということは、いまやよく分かっている」として、二つの点をあげた。第一は暴力のネットワークとの戦争状態。もう一つが、経済危機である。これについてはこう述べている。

 経済はひどく疲弊している。それは一部の者の強欲(greed)と無責任の結果だが、私たちが全体として、困難な選択を行って新しい時代に備えることができなかった結果である。(朝日新聞訳)

 米国の金融界の暴走の結果、世界全体が経済危機に陥っている。それが一部の者の「強欲と無責任」が引き起こしたものであり、政治経済システムがあらかじめ何らかの措置を講じて、その暴走を抑制できなかった。防止措置をとることは「困難な選択」だった。しかし経済システムが向かおうとしていたのは「新しい時代」であって、「困難な選択」をあえて行っての「備え」が必要だったのだ。短い言葉で、そのように指摘している。

 このような危機が起きたのは、経済活動を理論的に分析し、指針を与える「経済学」そのものに問題があったのではないか、それも基本的なところに問題があるのではないか。私はそんな疑問に囚われて、素人なりに読んだり考えたりしている(すでに2回、このテーマで書いている。その1その2、もごらんいただきたい)。

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2009/02/06

とうとう主夫役を

 つい先日、アイロンかけ役が回ってきたことを書いた(ここ)のだが、今度は全面的に主夫を務めることになってしまった。わが連れ合いは何かと事故が多い人だ。転びやすい。今回は風呂場で転んだ。手をついて体重を受けて、肩が傷んだ。腕が上がらなくなり、動かす向き次第でギクリと痛いという。脱臼とかしているかもしれないんだから、診てもらったらと勧めたが、いやだという。医者嫌いである。そうこうして、10日が過ぎた昨日、自分で整形外科医院に出かけていった。何か自覚するところがあったのだろう。迎えに行ったら、右腕を三角巾で吊った姿で出てきた。腱板損傷と診断されたという。腕と肩のいくつかの筋肉を互いにつなぐ役割をしているのが「腱板」である。それが部分的に裂けた状態らしい。手術してつなぐのがいいのだが、老齢者は手術せずに、養生して自然治癒を待つという方針だそうだ。1ヶ月は三角巾で腕を固定して、肩を動かさないように心掛けよといわれたという。

 利き腕を固定されては、ほとんどの家事ができない。ということで、この日から炊事や洗濯などあらゆる家事がこちらに回ってくることになった。特に問題は料理である。これまでほとんどやったことがない。はじめて、野菜を刻んだり、炒め物をしたり、鍋から盛り分けたり、配膳したりの作業をすることになった。今までは「ご飯だよ」の声がかかるまで書斎に籠もっておれたのに、毎食ごとに立ち働かなくてはならない。

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2009/02/04

池田 vs. 五十嵐論争がきっかけ

 現在の経済危機の中での雇用問題を、一部のエコノミストが分析しているのを聞いたり読んだりした際に覚えた疑念を、この分野については素人だが、自分なりに考えてみたいと書きはじめている。前回は素朴な疑念をそのまま書いてみた。エコノミストが経済問題を論じる際に使うツール(経済理論)は、経済現象の事実にもとづいて構築されたもので価値中立的だ、というのは本当にそうなのか、ということだった。「事実」というのは、現実に起きることはかくかくしかじかだ、ということである。それに対して、現実に起きていることは、良くない、間違っている、このようにす「べき」だというのが、「価値」である。経済理論は、そういう「べき」に中立的であるというが、それは本当か。

 このような問題に気づいたのには、じつはきっかけがあった。今回はそのことについて書いてみる。池田信夫という人のブログある日のエントリが気になった。このエントリには事前の経緯があった。池田が五十嵐仁という法政大学教授の書いた本(『労働再規制』)を「読んでいけない」本という項目に入れて書評した。それに対して五十嵐が自分のブログで6回にわたって反論を書いた()。それに対して池田が回答したのが上記のエントリであった。それが私の目にとまり、私に問題意識を喚起したのである。いささか細部にわたるがおつきあいいただきたい。

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