2008/09/02

健康によい食品選びのための指標:ONQI

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 新着のナショナル・ジオグラフィック誌(08/9月号)を拾い読みしていたら、こんな記事が目についた。米国で、栄養価をあらわす指標 ONQI というのが新たに導入され、スーパーで売られている食品に表示されることになるという。すべての食品に、1-100の指標が付けられる。点が高いほど,健康にいいと。健康を気にする消費者は、スーパーで食品を求めようとするとき、この指標を参考にするといいというわけだ。たとえば、ブロッコリーやオレンジは100、リンゴ、キャベツ、トマトが96、紅ザケ、鯛、エビが、それぞれ、82、82、75と、高い指標を与えられ、他方、ステーキ、鶏胸肉、ハンバーガー、目玉焼き、ホットドッグなどが、それぞれ 44、39、25、18、5 と低い指標になる。ナショ・ジオ9月号の「健康」欄に80ほどの品目の指標が出ている。

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2008/07/15

生ごみゼロをめざして

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 生ごみ排出ゼロを心がけている。コンポストを使ってきたが、いっぱいになると、その始末にてこずる。まだ土に戻すには早い。もう一つコンポストを置くには、庭のスペースが足りない。そんなところに「生ごみ処理機」のことを耳にした。市から補助金が出ているという。4〜6万円の処理機を導入すると、2万円の補助が出る。早速購入し、市役所に行って補助金の申請をした。このような処理機があることも、補助制度があることも知らなかった。数年前にはじまったことらしい。案外知られておらず、普及もしていないのではないか。どんなものか、使いはじめて約1ヶ月の経験を紹介しよう。

【画像説明】奥右が、生ごみ処理機の蓋を開けたところ、蓋の裏にヒーターとファンが取り付けられている。右手前が、刻んで乾燥中の野菜かすなど。左奥は乾燥中のコーヒーかす。左手前が、処理後の生ごみ。画面をクリック→拡大。

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2008/06/03

中性子研究の進展を喜ぶ

 今朝の新聞に、「中性子放出に成功」との、小さな記事が載っていた(プレス発表はここにある)。茨城県東海村にある J-PARC という加速器施設で、プロトン(陽子)を加速して、水銀ターゲットから中性子をはじめて発生させた、というニュースである。ずっと以前私が関わったことがやっと実現したということで、私にとっても感慨深い。この計画のごくごく萌芽の段階で、大学と原研(私のいた原子力研究機関)の数人の関係者で非公式に話し合いをはじめた。私はそのメンバーのひとりだった。その段階から、計画が具体化し、機関間の調整をし、予算が認められ、技術開発が進み、施設建設に着手、そしてやっとビームが出るというところまで、20年近くかかっている。その間、さまざまな人たちの努力で、科学研究のための新しい道具がついに実現した。実際に研究が行われ、成果が出るまでにはさらに時間がかかるだろうが、今後を期待したい。

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2007/11/13

こわいもの

 ある会社の広報誌に寄稿したものが出版された。その会社のホームページに掲載(『こわいもの』)されているので、お読みいただきたいと紹介する。この会社(長瀬ランダウア株式会社)は、放射線を扱う仕事(医療機関とか産業とか)をしている人たちが、どれだけ放射線に当たったか(被ばく線量)を計測するサービスを行っている。私が現役だったころは、胸にフィルムバッジをつけて仕事をしていたが、今はもっと進んだバッジなどが開発され使われている。放射線作業従事者が多数いる職場では、自前で被ばく線量管理をしているが、個別の医療機関や大学、放射線を使う産業現場(非破壊検査など)などでは、このような会社に外注している。その種業務の大手のようだ。

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2007/07/20

真鍋モデルを貶める槌田(『CO2温暖化説は間違っている』の間違い、その2)

 地球温暖化が人為起源のCO2によることが、多くの科学者のたゆまぬ努力によって、次第に明らかになった来た研究史の中で、金字塔ともいうべき画期的な業績がいくつかある。ハワイ・マウナロア山でのキーリングのCO2濃度観測などがその一つだが、コンピューターを使って気候予測をする分野で画期的な仕事をしたのは、日本人の真鍋淑郎(プリンストン大学)であった。1967年、真鍋が共同研究者と書いた論文について、ワートは『温暖化の〈発見〉とは何か』の中で(143頁)、

 温室効果による温暖化のモデル計算が、専門家に理にかなったものだと見られるようになったのは、このときが初めてのことだった。温暖化に本質的な要因が十全に計算に取り入れられたと認められたのだ。専門家の一人であるブロッカーがのちに振り返って言っているが、この1967年の論文こそが、「これ(温暖化)は憂慮すべき問題なんだと、私を確信させたもの」だった、と。【上記書の翻訳がこの部分はやや生硬であったので、原文から私訳】

 と書いている。この真鍋の業績について、槌田は『CO2温暖化説は間違っている』の中で、とんでもなく見当違いの批判をしている。そのことを少し詳しく検討してみよう。

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2007/07/18

槌田『CO2温暖化説は間違っている』の間違い

 著者・槌田敦は、異論を唱えるのが生きがいの人である。最近では地球温暖化問題での通説を攻撃しているらしい。地球温暖化が産業活動などによるCO2の増加によることがほぼ明らかになった、対策が急務だ、との気象学者たちの結論に異を唱えているらしい。またやっているな。無視してもいいのだが、この問題にずっと関心を持ち続けてきたものとして気になる。タイトルに書いた彼の著書(ここ)を取り寄せて読んでみた。案の定おかしなことがいっぱい書いてある。どこがおかしいか、きちんとした反論はすでに専門家によってなされている(たとえばここ、本エントリの末尾にもリンクあり)。私は、槌田の致命的な誤りを1,2取り上げて、一般向きに書いてみよう。

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2007/06/10

「バサラ」だったドジャンヌ

 ドジャンヌ(Pierre-Gilles de Gennes)が亡くなっていた。このところ新聞も、ウェブページもゆっくり見ているひまがないほど忙しかったので気づくのが遅れた。物質科学の理論家としては現存する最高の人だったろう。死亡記事を検索してみると、ほとんどの記事に「現代のニュートン」という言葉が添えられている(たとえばここ)。現在テレビやディスプレイに使われている液晶が、まだ単なる研究対象だったころ、その振る舞いを理解する基本的な理論を築いた人だ。ほかにもさまざまな分野で研究をしている。未知の物質や現象にいち早く目をつけ、その本質を見抜くという仕事をする人だった。1991年にノーベル物理学賞を得ている。死亡原因は明かされていない。74歳という早すぎる死だった。

 たった一度だけ出会いがあった。その天衣無縫ぶりになかばあきれ、かくも自由に振る舞う人だからこそ創造的な仕事もできるのだと妙に納得もした。その思い出を書いてみて、ドジャンヌは、会田雄次のいう「バサラ」だったと思い当たった。バサラとは、何ものにも拘束されず、破天荒に生きるさまをいう。

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2007/03/09

温暖化予測は検証されていない?

 温暖化問題について、少し無謀なことをしてみようと思う。この分野の専門家が書かれたことに、素人である私が疑問を投げかける、ということだ。それは「予測」についてである。仮説と実証という科学の本来的なあり方を説いた上で、予測は実証されていない、そのとおりになるかはその時になるまで分からないと、この専門家は書いている。これは、正論のようでいて、ミスリーティングではないか、そう私はいいたい。予測とはいっても、過去のデータによるモデルの検証という、いわば実証に近い科学的テストがくり返し行われており、これは通常の科学での仮説と実証にほぼ相当することを、いうべきではないかと思う。

 前のエントリで温暖化問題について書いたことで、コメントをたくさんいただいた。その中で教えていただいて、名古屋大学の高野雅夫助教授のブログ『だいずせんせいの持続性学入門』を読みにいってみた。今回のIPCC報告書について、地球環境科学の専門家らしい的確な紹介をしておられる。その一連のエントリの最初に書かれた「『予測』とはなにか」にある「予測=未実証」説に、私は引っかかる。シリーズもののイントロとして書かれ、そのあとの文脈では、妥当な見方に戻っているのだから、目くじら立てることはないのだが、やはりここに書かれた予測論は誤解を与えるものだと思う。

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2007/03/03

田中宇の「温暖化のエセ科学」論は?

 国際ニュース解説の配信者として知られる田中宇が、最近発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次報告書を、エセ科学だと批判している(ここ)。1990年の一次報告以後、2,3次と研究成果を積み重ね、疑問点について議論を深めて解決し、予測の確度をあげて、今年第4次報告の完成を目指してきたIPCCと、それに参加している世界中の2千人を超える気象科学者の努力を、一部の異論を誇張して示すことで、エセ科学だと斬り捨てるのは乱暴すぎよう。私は専門家ではないが、この問題に関心を持つものとして、田中の議論の主要点をチェックしてみる。

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2007/01/26

「温暖化の〈発見〉とは何か」のとんでもない誤読

 技術評論家・桜井淳は1月24日のエントリで、スペンサー・R・ワートの著書「温暖化の〈発見〉とは何か」を取り上げ、「素朴ないくつかの疑問」と称して、下記に引用のような感想を書いている(ここ)。これがとんでもない誤読であることを指摘したい。著書の意図を理解しておらず、問題にした図の意味をまったく取り違えている。おそらくこの著書を一行も読まず、ぱらぱらとページをめくり、目にとまった図だけを見て、感想を書いたらしい。こんな怠惰な文献読みでいつも技術評論をやっているのか。この技術評論家の実態を示す例だ。

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2006/12/17

科学は、先駆する人によって進む

 うれしいメールを受け取った。今年度の仁科賞を受賞したT先生からのものである。受賞をお祝いする会が研究所であった、そこでこんな挨拶をしましたと、メールで書き送ってくれたのだった。うれしかったのは、この人をアメリカから呼び戻し、活躍の場を創った私とのなれそめのことを思い起こし、ことさらの謝意を表してくれたことだ。この人のように次期の問題領域を非凡な発想で見抜き、ねばり強く追究していく特別な人によって、科学は進む。科学はなんといっても人である。それに付随して、そういう人を見つけ出して、大いに働いてもらうよう仕組む「黒幕」が必要だ。馬喰(ばくろう)あるいは伯楽(はくらく)といおうか。T先生と私との関係は、そのようなものだった。そのような役割を多少なりと担ったことをうれしく思った。

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2006/08/11

これはひどい、「プロフェッショナル仕事の流儀」

 あまりテレビを見ない。だから半年以前からやっているというNHK番組「プロフェッショナル仕事の流儀」を昨日はじめてみた。茂木健一郎が自分のブログに、何度もこの番組について書いているので、一度見てみようと思ったのだ。一回だけ見ての批判である。それを承知で読んでもらいたい。昨夜(06/8/10)は、スペシャルだったらしく、4,5人のプロフェッショナルが登場した。その人たちが、それぞれの現場で困難に出会い、それを克服したという挿話が紹介される。エピソード自体は、前身の(と思われる?)「プロジェクトX」ゆずりで、まあ良かろう(私はこの手の話は好きでないが)。いただけないのは、教訓めいたまとめのひとことが字幕に出て、それを茂木健一郎が、「最近の脳科学では、・・・」ともっともらしい理屈付けをすることだ。これこそ、悪しき科学主義、脳中心主義で、全くいただけない。プロの仕事の事例を、直接的に脳科学に結びつけようとの、番組作りの構想が間違っているのではないか。茂木健一郎は、何を考えて、こんな番組に手を貸しているのか、理解できない。

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2006/08/03

科学は生の問題に答えない

 ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」で、もっとも有名なフレーズは、最後の一文「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」(論考.7)であるが、私には、その少し前に書かれている次の一節(6.52)がいつも頭にある。

 たとえ可能な科学の問いがすべて答えられたとしても、生の問題は依然としてまったく手つかずのまま残されるだろう。

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2006/07/26

合理的考え方を擁護して

風旅さんのエントリをきっかけに、科学のことを論じてきた(前の二つのエントリ)が、今度は合理的なものの考え方について書いてみたい。というのは、風旅さんの科学への疑念の裏に、合理的なものの考え方への批判があるように思えるからだ。風旅さんはそうではなく、「論理」や「科学的」などの言葉をふりかざすことで、ほんらい問題にされるべき事柄が見逃され、安直な結論がまかり通ることを批判しているだけだ、といわれるのではないかと思う。たしかに合理的考え方そのものを直接的に非難している言葉は見られない。だから以下に書く全部か、相当部分は、風旅さんへ向かっていうべきこととしては、当たっていないかもしれない。それを承知の上で、この機会に合理的なものの考え方について、日頃考えていることを述べてみよう。

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2006/07/24

無邪気で無難な科学者?

 先のエントリ(『科学について風旅さんとの会話のために』06/7/22)につづいて、風旅さんの問題提起を考えてみよう。先のエントリに、当の風旅さんからコメントをいただいた。風旅さんがブログで当初提起した問題をきっかけに、一部の問題点について書いただけだったのだが、コメントでまた問い直されてしまった。私はぐずぐず考える方だから、断片的にしか思考が及ばない。それを勘弁していただいて、つづきを書いてみる。最初から自覚しているのだが、風旅さんの発言をきっかけとして、自分の考えていることを書いても、それはいっこうに風旅さんに答えたことにならないということだ。すれ違ってしまう。それでも会話は続けたい。

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2006/07/22

科学について風旅さんとの会話のために

 風旅さんは、ご自分のブログ『風の旅人・編集便りー放浪のすすめー』で、しばしば科学を問題視したエントリを掲載している。7/16のエントリ「なぜ、編集便りを書くか」のコメントのやりとりの中で、「私は敢えて西洋科学の悪口を言う確信犯です」と公言している。文系によくある単なる科学嫌いかとおもっていたが、それどころじゃない。科学と科学的思考は、現代社会に生きる私たちの思考をスポイルしていると、真剣に科学攻撃に乗りだしているようだ。半年ぐらい前だったか、私との間に科学を巡ってやりとりがあった(『風旅さんの想像科学』06/1/25、『風旅さんと会う』06/2/2)。最近またひと波あった。私は、風旅さんが何を考えているか、およそ分かるし、何かをいって説得しようとしても巨石は微動だにしないことも分かっている。今回は無難なコメントでやりすごそうとした。しかし、科学についての誤解は見過ごせないと、風旅さんに歯向かうかたが現れた。もっと勉強してから科学についてものをいいなさいなどと言い始め、あ、そのやり方ではダメダメ、と思っているうちに、この人も無駄なことをいったと自省して、矛を収めた。

 このままにしておいていいのだが、というのは、しょせん何をいっても、互いに分かり合えるとは思えないからだが、風旅さんの書いたものは、私を挑発し、考えるべき課題をいっぱいくれた。それを放置しては、自分の抱えている問題も滞ってしまうような気持ちでいる。風旅さんは、自分のブログを自分のテリトリーと意識されているようなので、そこに踏み込んで異論を唱えるより、私はこのブログをテリトリーとは思わないが、自分の考えるところは、こちらに書くことにしよう。

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2006/05/18

地球温暖化問題、動くか

 地球温暖化問題にずっと関心を持って、動向を見てきた。このところ何か動きつつあるようだが、ほんとうだろうか。決定的な動きになるかどうか、一にアメリカにかかっている。問題は科学と政治の双方それぞれにあり、両者のせめぎ合いにもある。そのあたりについて、最近読んだいくつかの記事のなかから二つほど紹介してみよう。ひとつ、連邦政府がこの問題を検討させていた専門委員会が、温暖化は間違いなく人間活動であるとの結論を出したとの報道。もう一つ、温暖化問題に警鐘を鳴らし続けた科学者 Jim Hansen に対する、政権の干渉が公けになり、もはや政府は、温暖化対策を求める世論の流れを止められなくなったこと。この Hansen は、TIME誌が最近選んだ「世界でもっとも影響力のある百人」の一人に選ばれている。

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